「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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「温暖化の行きつく先は・・(1)」

 この冬は本当に暖かい。本日1/15までの鳥取市の最低気温を見ると、この冬にマイナスになったのは12/16(-0.3℃)の一日だけです。昨年の冬の場合、1/15までのマイナス気温の日は四日間でした。「鳥取の過去の天気」

 日本海の海面水温を見ると、1/上旬の平均水温は北朝鮮日本海側の水温が平年に比べて6℃も高い。前年に比べても7℃高い。この傾向は11/上旬から続いています。

 水温が平年よりやや高い程度なら、大陸から寒気が吹き出した際に水蒸気量が増えて山陰は大雪になるのだろうが、ここまで水温が高いと寒気も途中で弱まってしまうのかもしれない。気象だけでなく、漁業への影響も当然出て来るでしょう。

 さて、地球温暖化が急速に加速しつつあると言われ、この冬の異常な暖冬もその表れの一つであることには間違いないのでしょうが、その傾向を具体的なデータとして気温の推移を見てみましょう。

 下に日本全国の平均気温の推移、その下に鳥取地方気象台が記録した平均気温の推移を並べて示します。鳥取地方気象台の測定開始は1943年なので、それ以前の鳥取市での気温の継続的な記録はありません。鳥取の気温も全国の気温にほぼ同期して推移しいていることが判ります。

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「各地の気象データ」 「日本の平均気温の推移」 

 気になるのは、全期間をならした赤い線は別として、実際の気温推移(全国、鳥取ともに黒の線)が1980年以降に急速に立ち上がっていることです。鳥取ではこの期間の平均気温上昇は約1.8℃程度。年間で約0.046℃/年の上昇率。仮に、今後さらに気温上昇が加速することはなく、このままのペースが続くとしても、2050年には1.4℃、2100年には3.7℃、今よりもさらに気温が上がると予想されます。

 1982年(昭和57年)版の理化年表に記載されている各地の平均気温によると、この当時の鳥取市の平均気温は14.3℃。これが現在は1.8℃増の16.1℃になったとすると、1982年当時でこの値に近いのは福岡と佐賀の16.0℃、熊本の16.1℃です。この39年の間に、鳥取市が九州中部付近まで移動したことになります。

 2050年の予想平均気温の17.5℃はほぼ鹿児島に相当、 2100年の19.8℃は奄美大島あたりでしょうか。環境が激変して農林水産業は大変な打撃を受けることになります。

 世界的にも食料供給網が混乱して食料の奪い合いが起きるでしょう。今すぐに二酸化炭素などの温暖化ガスの排出を大幅に減らさなければ、子や孫の世代、さらにその先の世代が深刻な危機にさらされることは確実でしょう。

/P太拝