「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

当ブログの内容は編集者個人の見解であり、「市民の会」の公式見解ではありません。当ブログへのリンク、記事内容の引用等はご自由に!

新型肺炎ウィルスの検査数について(続き)

新型肺炎の拡散については日ごとに拡散の状況が変わっているのだが、その事態はいよいよのっぴきならない段階に達しつつあるように思う。まずは、政治家と官僚のくだらない自己保身にまつわる話から始めたい。

最初に昨日の当ブログ記事に関する補足について。次の記事は、昨日時点での国内各テレビ局の新型肺炎に関する報道状況を伝えている。残念ながら筆者は完全な朝方人間であり、最近は夜の十時を過ぎて起きていることはめったになく、このNEWS23を見たことは(筑紫哲也さんがMCであった時代を最後として)近年は記憶にない。

内容の概要は、昨日の同局の報道で筆者が見聞きした内容におおむね沿っているものだと思う。この記事は個人名義なので、Yahooでもかなり長期間掲載されるはずだ。

「「検査が遅いのは厚労省側のウラが?」新型コロナ対策で「NEWS23」上昌広さんの辛口解説を聞け!」

筆者が抱いた印象の裏付けになるが、まともに独自の視点から報道していたのはやはりTBSくらいしかなかったとのこと。他局はおおむね政府広報の垂れ流し、フジサンケイに至っては感染症の専門家すら招くことがなかったそうである(芸能人ゴシップと中韓叩きが売り物の同局に、第三者視点からの公正な報道を期待するのは元々から無理な話)。

この記事の中の文章を以下に抜粋しておこう。

「こういう緊急時にこそ、人びとが頼るべきなのは報道機関だ。緊急対応に追われる政府にも間違っている点があるのではないかと批判的に見る視点だ。ともすれば、こういう緊急時になってくると政府が発表する方針などを盲従して解説するニュースが多くなっていく。他方で、そうした政府方針そのものを批判的に捉える報道は姿を消しがちだ。・・・」

さて本日夕方、他局のニュースものぞいていたら、1chの日本海テレビ日本テレビ系列。読売新聞系列で基本的には政府寄りであるが、8chのフジサンケイ系列ほどに露骨ではない))が、ちようど重要なニュースを流していた。以下、箇条書き。

① 本日の国会における加藤厚労相の答弁では、最近の検査数は多い日で1000人程度とのことだが、2/18に約束した3800人とは大差がある。昨日のTBS報道の人数よりも大幅に増えているが、その背景についてはまだよくわからない。

② 同局が某検査会社に取材したところ、国からの依頼により検査体制を整え専任担当を四人配置したものの、未だに国からは一件も検査依頼が来ないとのこと。

③ 本日時点で、韓国では最大で一日15000人の検査体制を整え、開始してからの延べ検査人数は既に45000人に達したとのこと。

④ 本日の国会で立憲民主の議員が検査数の少なさを追求したところ、厚労相は「財源的に保健所での検査しかできない」と答弁。

以上の内容から浮き彫りになってくるのは、なるべく検査件数を抑えて感染者数を極力少なく見せようとしている安倍内閣の姿である。

④については、閣議決定で一般医療機関での検査も予備費投入で無料にすれば済むことなのに、なぜやろうとしないのか?やっぱり、東京五輪への影響を心配して意図的に感染者数を低く見せようとしているとしかみえない。

これらの決定は、無論、加藤厚労相だけの判断でできるはずもなく、トップである総理の指示でそうしているとしか思えない。検査希望者への対応をたらいまわししている間に、潜在的な感染者数はどんどん増え続けているのだろう。安倍氏にしてみれば、今さら国内感染の実態を示す希望者の全数検査など、怖すぎて絶対にできないのかもしれない。

さて、今日の報道の中で注目すべきは次のニュースである。

新型コロナ、中国・広東省 退院患者の14%から陽性反応

これが事実ならば、この夏の東京五輪の開催はあきらめた方がよかろう。この騒動が長引くことが確実となるからである。ウィルスを持っているのか、本当に治癒して他人に移すおそれがないかわからない状況では、日本を目指して多くの観戦客が押しかけてくるとは到底思えない。金儲け命のIOCも難色を示すことだろう。第一、汚染地の日本に来たがる選手が、はたして何人いるだろうか。

誰にも歓迎されない五輪は、いっそのこと開催しない方がましである。1980年のモスクワ五輪の二の舞となりかねない。「努力してきた選手が可哀そう」との声が上がるかもしれないが、暫定的に2021年の世界選手権の勝者に五輪メダルを与える等の処置も、この非常事態においてはあり得ると思う。

/P太拝