「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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My favorite songs (12)  -テレサ・テン-

 香港の自由が奪われようとしている現在、自由な香港を愛した台湾生まれの歌手、テレサ・テンさんを想い、あらためてその素晴らしい歌声を偲んでみたいと思います。

 高校三年の頃、当時よく読んでいた高校生向けの雑誌に香港?から来日した歌手の紹介が載っていました。「丸顔で可愛い子」と言うのが第一印象。ずっとテレサ・テンに関する記憶だと思っていたが、改めて 「wikipedia テレサテン」を見ると日本でのデビューはアグネス・チャンの方が先、単なる筆者のカン違いだったのかもしれない。 


 日本でデビューして数年後の1974年に「空港」が大ヒット、その後の展開はご存じの通り。以下、yotube上の曲をジャンル別に分けてみました。

(1)日本での発表曲

「空港」(1974)  まだ日本語が少したどたどしいです。

「つぐない」(1984) 榊原郁恵さんもまだ細かった!時代。

「愛人」(1985)   中国語の「愛人」(アイレン)は自分の配偶者を指す言葉。日本人は誤解しやすいので要注意。

「時の流れに身をまかせ」(1986) 

「別れの予感」(1988) 

「悲しい自由」(1989)  天安門事件発生から五か月後の映像。最後の「So long あなたの背中 見送るは・・」とは、大陸中国に送る言葉であろうか。

 

(2)中国語での歌

「山茶花」 牧村三枝子の「みちづれ」を改詞した曲。「山茶花」とは椿の花のこと。

「雨夜花」  発音が理解できなくても、漢字があると何となく意味が分かるでしょう。この曲は台湾民謡との説もあり、発音は標準中国語(北京語)ではなく台湾で広く使われている閩南語。

「月亮代表我的心」 華北の某市で仕事をしていた頃、取引先の役員と仲良くなり何度か一緒に食事に行った。話しているうちに、互いにテレサテン(中国名 鄧麗君 デン リーチュン)のファンとのことで、さらに意気投合。彼は筆者より十歳程度年下であり、改革開放が始まった1980年前後には二十歳くらいだったはず。「人民解放軍の兵士は、昼は鄧小平の演説を聞き、夜は鄧麗君の歌を聴く」というのは本当だったんだと思った。
 ある日、彼は食事の場に「僕の女友達、鄧麗君にそっくりでしょう」といって若い女性を連れてきた。正直言って、テレサテンよりもさらに数段綺麗。日本に連れて行ったらすぐにアイドルになれそうな感じである。この「月亮代表我的心」は中国国内でもよく知られていて、彼女はその一部をうたってくれた。

 それにしても、どう見ても彼女は二十代、親子ほど年が離れているカップルには恐れ入った。中国では、何かしらの権力を持っている人物の場合、奥さん以外の女性を食事の場に堂々と連れてくることはよくある話だ。権力誇示の一種かもしれない。

 他の人から聞いたところによると、彼の父親は党の有力者だったとのこと。普段の彼は、特にこれといった仕事をしているようには見えない。地方政府や税務署との関係で会社がトラブルに巻き込まれた際に出て行って、昔から築いてきた人間関係を使って穏当に解決するのが彼の本来の役割らしい。いわばミニ太子党といったところか。どの家に生まれたかで人生が決まるのが今の中国なのである。マルクスエンゲルスが今の中国を見たらなんというだろうか。

 

(3) 他の歌手の持ち歌

 テレサテンの歌で好きなのは、どちらかというと、彼女の持ち歌よりも他の歌手の持ち歌を彼女が歌っているもの。彼女の声にはなんとも言えない哀しみが含まれており、聴いているうちに実にせつない思いに包まれてしまうのである。悲しい曲ばかりになるが、筆者がよく聞いている歌を以下に紹介。

「愛しき日々」

「そして・・・めぐり逢い」 五木ひろしの持ち歌。

「心凍らせて」

「北の旅人」 

「想いで迷子」

 以上、テレサの歌を紹介してきたが、最近、彼女の人生の総集編ともいえる動画がTBSの画像を使ってアップされました。約50分の長編だが、時間のある時にゆっくり見ていただきたい。この動画の最後には、天安門事件の直前に香港で中国国内の民主化を支援するテレサの姿が紹介されている。

 「テレサ・テン名曲熱唱」 

 1995年5月8日、出張で上司と一緒に新幹線に乗っていたら、突然、車内前方のニュース表示板に「テレサ・テン、急死」の文字が流れた。筆者と同世代でまだ42才、しばらくは呆然とした。最近は、youtubeであらためて彼女の歌声の素晴らしさを楽しめるようになった。まさに国境を越えた東アジアの、いや世界的な大スターであったと言ってよいだろう。あまりにも早い逝去が惜しまれる。台北の公園にある彼女の墓を訪れることは、今後、自分がしなければならないことの一つだと思っている。

 自由と平和を愛し、アジアの各国の人々を愛し、今は天国にいるテレサは、現在の香港の状況を見てどう思っているだろうか。絶対に、香港の自由が奪われることがあってはならない。

/P太拝