「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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鳥取市役所に冠水被害を連絡したら・・・

 正直言って、昨日読んだこの記事には本当にあきれた。

「冠水被害を連絡したら…市コールセンター「閉庁日だから、月曜にかけ直して」」

 最初に読んだ記事は「マイクロソフトニュース」のサイトだったが、他のサイトでも同じ内容が続々と報じられた。昨日のうちに「ヤフー」、「ライブドア」、「goo」等々の主要ニュースサイトで一斉に日本全国に向けて報じられているのを確認した。記事の内容はみな同一であり、いずれも読売新聞の記事を転載したもの。まさに恥さらし、全国の嘲笑の的と化した鳥取市である。

 今日、もう少し調べてみたら、地元日本海新聞オンラインが9/16付で同様の記事を載せていた。同サイトによると、この事実が判ったのは記事の前日の9/15とのこと。この記事内容を読売新聞が取り上げたことで、昨日になってから一気に広まったようだ。上のリンクは最初に確認したマイクロソフトニュースに張っているが、数日中に消される可能性も高いので、あらためてその主要部分を以下に抜き書きしておこう。

 

『市民からの問い合わせなどに対応する鳥取市のコールセンターが今年6月、大雨被害を知らせる電話連絡に対して、当初、翌日に電話をかけ直すよう伝えていたことがわかった。
 連絡をしたのは市議で、市やこの市議によると、県全域に大雨洪水警報が出た6月14日、市内の道路が膝上まで冠水しているとの情報を伝えるため、市議が市に電話をかけた。コールセンターにつながり、道路課に電話を回すよう要請したが、当初は「(日曜で)閉庁日のため、月曜にかけ直してほしい」と返答されたという。そこから数分間、現場の状況についてのやり取りがあった末、道路課に電話がつながったという。
 市は昨年9月から、代表番号にかかってきた電話にコールセンターが対応する方式を採用。緊急時などには、市の管理室を通して担当職員らに電話をつなぐことになっていた。市は電話対応に不備があったことを認めたうえで、「緊急連絡の受け付け態勢を徹底したい」としている。』

 

 防災対策のための部門として危機管理課を設置し、日頃から市民に対して防災意識の徹底を再三呼び掛けてきたはずの鳥取市が、市民からの、しかも市会議員からの冠水発生の連絡をいったんは無視したのである。しかもその理由が「今日は日曜日だから・」というのでは、開いた口がふさがらない。いったい鳥取市の危機管理体制はどうなっているのか?

 あらためて事実を確認しておこう。アメダスの記録によると、鳥取市では今年の6/11から6/14にかけての四日間連続して降雨があり、特に当日6/14の降雨量は78.5mm、前日の6/13の降雨量は99.5mm。四日間の総降雨量は212mmであった。

 近年の鳥取市の年間降雨量は平均で約1900mm、四日間で年間降雨量の一割以上が降れば、市内のどこかで水害が発生しても不思議ではない。このような状況下でも市の担当部局はなんの危機感も抱かず、市民からの緊急通報への対応をコールセンター任せにしていたのである。

 さて、いったい市内のどこが冠水被害を受けたのだろうか。県の公式サイト「鳥取県の危機管理」の「災害情報一覧」を見ると、「6/13からの大雨による被害情報等」が載っている。その中の6/15 AM8時時点公表の資料の中に「住家被害の発生状況」が載っている。

 その記載によると、「6/14 18;30 鳥取市福部町高江で床下浸水一軒発生」とあるので、被害が発生したのは福部町のJR福部駅前地区のようだ。このあたりは、近くを流れる塩見川の越水によってしばしば冠水が生じる地区である。また、市役所に電話をかけた市議も推定できた。福部町在住で公明党所属の前田市議だろう。興味のある方は、同市議のブログの6/15付の記事を参照されたい。

 今回の不祥事(「市内で火災発生」との電話を受けた消防署が、「今日は日曜日だから、その件は明日また電話して」と言っているようなものだ。これを不祥事と言わずして何と形容するのか?)を産んだ背景を、筆者なりに以下にまとめてみたい。

 

(1)上に示した不適切な対応をしたのは直接的には市が契約して業務を委託したコールセンターの担当者だが、コールセンターの業務の拠点は、北海道や沖縄、はては日本語学習者が多い中国大連市など、人件費が安いとされている地域に設置している業者が大半である。

 鳥取市内にも某業者のコールセンターの拠点があるが、市が同所に業務委託しているかどうかは、実際の契約を見なければ何とも言えない。おそらく鳥取市の実情を全く知らない担当者にしてみれば、市民からの電話への応対の指針となるのは鳥取市から提供された業務マニュアルにしかないはずだが、その中には「閉庁日の災害発生連絡に対する対応方法」は明記されていたのだろうか?仮に明記されていたとしても、提供したマニュアル通りに実際の業務が運営されていることを、市はコールセンターの現場に行って確認していたのだろうか?

 コールセンターの担当者の不注意が今回の不祥事の直接の原因だったとしても、そのような管理不行き届きな業者を選び、かつ実務能力へのチェックを怠った市担当部署(総務部?)には業者選定に関する責任が、最終的には各部署のそのようなルーズな対応を黙認した深澤市長に今回の不祥事の責任があることは明らかである。
 
(2)今回の騒ぎで明らかになったことは、市の危機管理課という部署は、いったい何を担当しているのかということだ。電話した市議は数分間やりあったあげくに市の道路課につないでもらったそうだ。筆者は、危機管理課という部署は災害発生には前面に出て市の各部署に適切な指示をするのが任務と思っていたが、どうやら全く誤解していたようだ。平時に災害対策の青写真は作るが、実際の災害発生時には他部署の後ろに引っ込んでいるだけらしい。
 数年前の大雪の際、いつまでも町内の除雪が進まないために、雪が降った三日後に危機管理課に当会会員が乗り込んで行って「いったいこの間、この課は何をしたんだ」と問い詰めたことがあった。担当者の答え曰く「県に電話を一本かけました」との返事だったそうだ。
 今日も、ある会員から、旧袋川の堤防に穴が開いているので市に電話したら「それは県の担当なのでそっちに電話して」と言われただけだったと聞いた。市の防災担当部門はいったい何のために存在しているのか?単に電話の取次ぎや転送しかしていない部署は即刻廃止し、その窓口は県に統合して一元化すべきだ。

 現在、危機管理課は約十人の人員を抱えている。市の正職員の給料は県の正職員よりも高い。市財政ひっ迫のおり、付加価値のある仕事をしていない市の正職員はリストラして、その業務を県に統合すべきである。

 

(3)最近の当会の公式サイトでは、事あるごとに「市業務の全面的外注化」の問題点を指摘してきた。新庁舎の窓口担当職員の大半は、既に東京の上場企業であるニチイ学館からの派遣職員に置き換わった。市のゴミ収集事業、可燃物処理事業、下水道処理事業、市の各種施設の運営、市立保育所の実務等々の担当は、既に外注民間業者、市設立の外郭団体、市が一時的に雇用した非常勤職員等々にまかされてしまった。旧本庁舎の跡地活用問題では、今まで市職員自から行っていた市民へのアンケート調査や意見聴取さえも、今年からは外部業者に丸投げしてしまった。

 いったい市の正規職員はどのような付加価値のある仕事をして、我々市民の納める税金からその対価としての給料を受け取っているのだろうか?市内の勤労者の中で一番生産性の低いのが市の正規職員ではないのか?

 鳥取市の市職員の約半分が非正規である。この比率は同規模の人口の国内各都市の中では異常に高い。外注業者は別として、市外郭団体職員や非正規職員の年収は、おおよそ、市正規職員の二分の一から三分の一である。鳥取市自らが市内の格差拡大を促進しているのである。

 このような経緯の結果、市の正規職員の主な仕事は新庁舎の会議室で会議をするだけになったかのように見える。

 その結果、

①市正規職員が現場の実態を知らない。

②市正規職員の実務能力の低下。

③実務経験がないために、外注業者が出してくる見積もりを市正規職員が精査できない。その結果、市の財政に、ひいては市民に対して損害を与えかねない。

等々の弊害を生じるようになった。防災対策における今回の不祥事は、まさに鳥取市の行き過ぎた業務外注化の弊害の具体例というほかはない。

 

(4)深澤現市長の経歴は、市職員から副市長、さらに前市長からの後継者指名を受けての市長当選であった。2012年の三つ巴となった市長選での同氏の当選は、当時の市職員の応援によるところが大であった。 

 当然、自分の元々からの仲間である市職員には極めて甘い。今の市長は、市正規職員に対しては何事につけても厳しく対処できない。今回の不祥事は、このような市長の市職員に対する甘さがもたらしたものという見方も当然ある。

 最後に言いたいこと。

 今回のようにずさんな現在の災害対策を今後も放置しているようでは、近い将来に必ず発生する災害時には、鳥取市は他市ではあり得ないほどのブザマな災害対応を露呈しかねない。

 今後、我々の鳥取市が日本全国に対してこれ以上の恥をかかないためにも、市長と市職員の全面的な反省と早急な改善とを求めたい。

/P太拝