一昨日から北京五輪女子フィギュアのドーピング問題でネット上は大荒れ状態。国がナショナリズムをあおればあおるだけ、そのぶん不幸な国民が増えるという実例でしょう。
五輪が終わったらロシア軍のウクライナへの侵攻が始まるという観測もあるが、絶対にそうならないことを祈りたい。前途ある青年たちが、一独裁者の国威発揚という単なる見栄によってたくさん死んでいく姿は見たくない。まさに、「自国民を奴隷化するロシアというシステム」にほかならない。ロシア以外にもこのフレーズに付け加えたい国はあるが、今はやめておきましょう。
さて、しばらく硬い話題を続けたので、今回は気楽な話、漫画の紹介です。数年前から朝日新聞系のwithnewsというサイトに「夜回り猫」という漫画が月に一回くらいの間隔で掲載されています。
この漫画を読みたいがために、時々withnewsをのぞいていましたが、最近、元々の連載サイトを見つけました。今までの全ての「夜回り猫」を読むことができるようです。現在までに775話までを発表済。元々は週に二回くらいの割合で連載されて来たみたいです。
「夜回り猫」
あちこちをのぞいて、好きな話を楽しんでもらえばよいと思います。以下は筆者の個人的感想。
・たくさんの人物?(主に動物)が登場しますが、一番好きになったキャラクターは「ワカルちゃん」。他人のグチを聞くたびに「わかりますー」と言う口癖からこの名前になったようです。あまえん坊で、出しゃばりで、ちょっと生意気。食いしん坊で、人のために料理を作るのも大好き。飼い主?(同居人?)のさっちゃんとの掛け合いが楽しい。いくつか紹介しておきます。
「第四八五話」
「第五七八話 ワカルなんか」
「第五八八話 ワカル~?」
・料理を作ったり食べたりするシーンがよく出てきます。幸せの基本には食の充実があるということがよく判ります。
・作者の深谷かおるさんは、入院中の息子さんの気晴らしのためにこの漫画を描き始めたそうです。当時、既に五十代だったとか。もっと若い人が描いているのだろうと、ずっと思っていました。
「第五百話 ありがとう」
・台湾でも大人気だそうで、深谷さんはコロナ前の2019年に台湾でのイベントに招待されています。
「第四九三話 謝謝台湾」
・動物と人間とが自由に会話するという設定には、「セロひきのゴーシュ」、「雪渡り」、「なめとこ山の熊」、「どんぐりと山猫」等々の宮沢賢治の童話を連想します。さらに、賢治の童話の読後感とも共通する場面が多いとも感じます。
例えば、賢治の童話で筆者が好きなシーンを挙げれば、「セロ弾きのゴーシュ」の最後でゴーシュが反省するところ。
「・・「ああ、かっこう。あの時はすまなかったなあ。おれはおこったんじゃなかったんだ。」と言いました。」。
さらに、「貝の火」の最後の場面で、周りの動物たちに傲慢な振る舞いをした結果、目が見えなくなってしまったウサギの子ホモイに、ウサギのお父さんがかける言葉。
「泣くな。こんなことはどこにもあるのだ。それをよくわかったお前は、いちばんさいわいなのだ。目はまたきっとよくなる。お父さんがよくしてやるから。な。泣くな。」。
いずれも、過去の自分の振る舞いを後悔するとともに、相手との関係を修復しなおし、その全てを受け入れようとする言葉です。これと共通する場面が、この漫画のあちこちに見られるように感じます。
全部で800話近くの話の中で、筆者が読んだのはまだ三分の一ほど。残りは精神的に疲れた時の特効薬として、大事にとっておこうと思っています。
/P太拝