「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

当ブログの内容は編集者個人の見解であり、「市民の会」の公式見解ではありません。当ブログへのリンク、記事内容の引用等はご自由に!

やはり、原発再稼働は止めよう!(2)

 東日本大震災から今年で四年目。今週は地震に関する新聞記事が多かった。
 3/13付の日経新聞には、首都直下地震南海トラフ地震の被害の予想に関する記事が載っていました。下の表にその最悪の場合の被害の程度を示します。

イメージ 1













なお、関連するWikipediaのサイトは以下。

日本列島が地震の活動期に入ったという次の記事も気になります。

 先回のこのブログの記事の「巨大噴火」は一万年に一度の発生確率であった。しかし、巨大地震については、今後数十年以内に首都直下地震南海トラフ地震(またはその両方)が起こることはほぼ100%確実と言ってよいだろう。

 2020年までにこれらの巨大地震が起こった場合、東京オリンピック開催どころではなくなる。それどころか、上の表に示した最悪ケースの場合、現在約1200兆円もあって今後も増え続ける国の借金に、さらに上の被害額100~200兆円ががプラスされるのだから、復旧のための資金調達は極めて困難になると予想される。日本が破産するきっかけになり得る大災害が、これから数十年以内にほぼ確実に発生するのです。

 一方、巨大地震原発に与える被害はどうなのか。一番気になるのは、南海トラフ地震によって発生する津波が、太平洋側の静岡県浜岡原発愛媛県伊方原発に達した際にどの程度の高さになるのかと言うことです。

少し古いが、新聞報道をうまくまとめているブログ記事を紹介します。浜岡原発に到達する津波高さは最大21mになるので、当時建設中であった高さ18mの堤防では防ぎきれないとの記事。

 その後、内閣府の検討委が第二次報告を提出。これによると浜岡原発での津波想定高さは19mに修正されています。これでもまだ津波が堤防を越えるリスクはかなりある。次のサイトの第二次報告 追加資料の「各原子力発電所付近の最高水位」に修正後の予想津波高さが載っています。

 伊方原発は、佐田岬半島の根元の瀬戸内海側に位置しているので、太平洋側からの影響を受けにくく、予想津波高さは3mとのこと。実際には、海岸での津波の反射波が重なり合って、局所的に津波波高が異常に高い地点が出現する。上の予想は当然その点も考慮しているはずだが、あくまで計算機上のシミュレーションなので、実際の波高もこの予想通りになるとは断言はできません。

 上空の偏西風の影響で、放出された放射性物質は一般的には東に流れる傾向がある。仮に浜岡原発が破壊され放射能が大気中に放出された場合、西日本は大丈夫なのでしょうか。
 福島第一原発の事故の時には、当時の風の影響を受けて、北西方向数十kmにかけて直線的に高濃度汚染地区が出現しました。また、チェルノブイリの事故の際には、やはり風の影響で北西に数千kmも離れたスカンジナビア半島までもが放射能に汚染されました。浜岡で事故が起こった場合、その時の風向きによっては西日本も放射能に汚染される可能性があります。

 1986年のチェルノブイ事故の影響は、約三十年近くたった今でも続いています。最近、チェルノブイリから約二千km離れたノルウェーでトナカイ肉の放射能濃度が出荷基準上限値の三倍近くになり出荷停止となったという記事がありました。原因はトナカイが好んで食べるキノコに土壌中の放射能が濃縮されたためとのこと。

 原発から出る放射性廃棄物の引き起こす影響は、人類にとって初めての経験です。さらに地球上の全生物にとっても、その四十億年近い歴史の中で、このような高濃度の放射能にさらされるのは初めてのことです。高濃度の放射能の環境が生態系にどのような影響を与えるのか、正確な予想は困難です。

 毎年のように突発的な大災害が襲ってくる日本では、非常時のための蓄えが必須です。しかし蓄えどころか、国は借金まみれ、さらに国中のあちらこちらに将来の厄介者となることが確実な原発放射性廃棄物が点在しているのが今の日本の現状です。
 将来世代のために、今のうちに負債は可能な限り減らしておくのが、我々の責任だろうと思います。

/以上