「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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平井県政の二期八年を検証する (5) -イベント漬けの県政-

まんが王国」、「全国都市緑化フェア」、「全国障害者芸術文化祭」等々と、平井県政は次から次へとイベントだらけ。こんなに行政が税金を使って山ほどイベントをやって、はたして県民にとってプラスになるのだろうか?少し調べてみましょう。
 
 
 この「まんが王国」の事業については、筆者は何の関心もありませんでした。「平井知事が税金を使って、自分の趣味を好き勝手にやっているだけだろう!」と思っていました。従って、筆者はこの件に関する新聞報道はほとんど読んでおらず、具体的にどこで何が行われていたのかはよく知りません。
 
アホらしくてこの事業の全体を調べる気力も出ないので、以下、日本海新聞に載っていた批判的記事の一部を要約して引用するにとどめます。日本海新聞は、もともと行政当局に味方するような記事を書くことが多いのですが、この「まんが王国」事業についてだけは、かなり手厳しい批判記事を載せています。
 
’12.11.29 「8/4から11/25まで開催された「国際まんが博」の結果を、県が県議会常任委で報告。目標を20万人上回る320万人が来場し成果があったとした。しかし、委員からは、常設拠点の水木しげるロード青山剛昌ふるさと館の入場者まで来場者にするのはおかしいという意見が続出。「水木しげるロードを歩いている人までみな来場者とするのか?」等々。これら常設拠点への入場者は179万人。これに対して県主催・共催事業への来場者はたったの56万人。残りは市町村主催の関連事業参加者。」
 
’14.1.11 「建国三年目のまんが王国とっとり -問われる存在意義-  北大の山村教授のコメント: 住民・ファンが盛り上がっているのを支えるのが行政の役目、おカミがトップダウンで指示を出しては人々の興味を削ぐ。」
 
‘14.2.8 「まんが王国めった切り -補助金過大交付、来訪者数ドンブリ勘定- 
県包括外部監査でダメだし。同監査人の高田税理士が、’12年度の県観光関連事業の財務に関する監査結果を公表。問題を指摘した35件の中で、まんが王国関連は26件もある。国際まんが博の公表来場者数322万人はマユツバの数字であり、市町村主催関連事業への参加者として、しゃんしゃん祭りの見物客や、農産物直販所の買い物客までカウントしていた。
 
‘14.3.2 「まんが王国三年目の試練。将来ビジョンも無いまま、新年度も多額予算。’12年度に建国を宣言し、初年度は約10億円、次年度は3億円を投入。三年目の’14年度も約2.5億円の予算を計上している。漫画に詳しい文化関係者は、作品のPRにはなるが県のPR効果は薄いと指摘。必要性や効果を疑問視する意見が多い。」
 
‘14.3.19 「まんが王国 ずさん経理。県81万円返還要求へ。県は、’12年度包括外部監査で指摘された過大交付された補助金や委託金81万円の返還を求めることになった。」
 
まんが王国」批判の記事は、ほかにも探せばいくらでも出て来るが、これくらいにしておきます。そうそう、次のサイトには「まんが王国」の批判記事が山ほど載っていました。

 
なお、「まんが王国」の国王を自称する平井知事は、まんが王国の王女に「トリンドル玲奈さん」を任命するなど、各種イベントにこと寄せて次から次へと女性タレントばかりを何人も呼んでいる。知事自らが、自分の好みのタレントを選んでいるのだろうと想像します。
ところで、タダでタレントさんが来てくれるはずもありません。我々の納めた税金を払って契約しているのです。さらに、十万円や二十万円で有名なタレントとの契約が成立するはずも無く、もっと高額な、おそらく数百万円レベルの契約金を払っているはず。
「平井知事は面白い!」と公言している有名テレビタレント(外見は女性・・)がいるようですが、当然です。タレント仲間から「鳥取県はカネ払いがとっても良い」と聞いているのでしょう、自分も呼んでほしくて、ヨイショしているだけです。

自分たちから集めた税金をバラまいて豪遊している人間がモテモテなのを見て、「人気があるんだなア」と感心している鳥取県民は、究極のお人よしと言われても、しかたがありません。

 
②「全国都市緑化フェア」
 
‘13年年秋に湖山池湖畔で、「水と緑のオアシスとっとり2013」というイベントが開催されました。このイベントの誘致については、県よりも鳥取市が主導した可能性が極めて濃厚です。その理由を以下に示します。
 
全国都市緑化フェアを主催している公益財団法人「都市緑化機構」は国土交通省の官僚の天下り先としてよく知られており、専務理事または常務理事には五代にわたって国交省の出身者が就任しています。’11年に鳥取での開催が決まった時の専務理事 小川陽一氏も国交省出身で、入省年次は、同じく国交省出身である竹内前鳥取市長の一年後。いわば二人は先輩と後輩の関係で、以前から交流があったものと想像されます。
 
全国都市緑化フェアの開催費用はその開催都市と県の負担であり、さらにフェアに出展する各企業や全国の協賛金も開催費用に組み込まれています。この全体のカネの流れは、県と市、さらに参加する企業・団体からなる実行委員会が管理しており、鳥取でのフェアの決算はフェアが終わって約四か月後の’143月に総会の場で報告されたとのことです。調べてみたが、ネット上では決算の内容は公開されていませんでした。全体のカネの流れはよくわかりません。
 
都市緑化機構の活動は企業や自治体に対するアドバイスのみであり、その職員数はかなり少ないと思われるが、ホームページを見るとその資産は約30億円にも達しています。このおカネはどのようにして蓄積されたのでしょうか?都市緑化機構と全国都市緑化フェアの本質は、国交省OBのセカンドライフを保証するための「隠れミノ」+「集金機構」なのではないかと言う疑惑が浮かびます。

 
そのように推測する根拠のひとつとしては、竹内前鳥取市長がこの都市緑化フェアの開催に異常な執念を見せていたことがあげられます。当初、’07年の鳥取開催がいったん決定したものの、’04年に当時の片山知事が財政難を理由に断念を表明、’07年は船橋市が開催することになりました。
 
いったん返上はしたものの、’10年の市長選では、竹内氏は都市緑化フェアの早期開催を選挙公約に掲げるほどまでに執着を見せていました。4月に当選すると、さっそく5月には平井知事から開催同意を取り付け、さらに’10年度だけで約1500万円もの誘致準備費用を市の予算に計上しています。
都道府県持ち回りのイベントに詳しい人の話によると、鳥取県のような小さな県が全国で三十番目に開催県となるのはかなり異例とのこと。竹内氏は自分が市長の間にどうしてもこのフェアをやりたかったようです。

 
 このフェアが始まるころに、ある知人がこんなことを言っていました。「都市緑化フェアなのに、なんで湖山池のそばでやるんだ。あそこは都市でもないし、すでに緑化されているじゃないか!もっと街の中でやればいい。」

そうです。あの場所は、かつては全面が広大な芝生で、子供たちが走り回ったり、タコ揚げをしたり、芝生の上に寝転がって昼寝をしている人もいる、とても気持ちのいい空間でした。このフェアの後では、細かく仕切られ、色々な植物が植えこまれて、とても子供が駆け回れるような場所ではなくなってしまいました。
 
以下は筆者の見立てです。

鳥取市内の中で、湖山池周辺ほど公共工事のやりやすい場所はほかにはない。池の周辺部の多くは、現在は市有地となっていて、さらにその大半が公園となっています。竹内市政の12年の間にずいぶんと公園が増え、かつ整備された。昔からある集落の多くは池の岸からは遠く離れており、市が市有地である公園で工事をしても文句を言う人はあまり出てこない。「市民の利用のため公園をさらに整備します」と言われたら、なおさら反対する理由はない。池の周辺に生息している虫や鳥、魚たちには、もとより工事に反対する権利はない。かくして、湖山池周辺の公園では毎年のように工事が繰り返されて、累計で巨額の税金が費やされてきた。
 
これらの公園での公共工事で恩恵を受けてきた企業は、ここ数年の間、市庁舎新築移転問題で常に竹内前市長の応援団になってきた企業群とほぼ重なります。さらに、選挙時には市長の強力な援軍として活動していることは明白です。
要するに、湖山池周辺の公園は、選挙に備えて竹内氏がその子分を飼っておくための、広大なエサ場としてずっと機能してきたといってよいでしょう。従って、十数億円もの公費が投入される緑化フェアの会場に湖山池湖畔を選んだのは、竹内氏から見ればごく当然のことなのです。』
 
さて、この緑化フェアの収支はどうだったのでしょうか。上に述べたように’143月の最後の実行委総会での決算報告の内容は不明ですが、その一部は新聞で報道されています。
 
’14.3.25 「緑化フェア実行委解散。入場料収入は3579万円(目標は7956万円)、入場者は187385(目標30万人)(日本海)
 
目標に対して大幅未達で終わる結果となりました。この原因は、元々駐車スペースが無い湖山池湖畔を、無理に会場として選定したことも一因かと思います。あまりの入場者の少なさにあせった県と市が途中から動員をかけたので、職員の中には一枚\600の入場券を何枚も買わされた人がたくさんいたようです。じつにお気の毒です。
なお、県の公式発表は25837人となっているが、これは常設の東郷池臨海公園ととっとり花回廊の入場者も含めた数字であり、国際まんが博の来場者数と同じくマユツバものです。
 
では、この緑化フェア開催に投入した費用はいくらなのか?横浜市がこのフェアを訪問した記録が下記サイト資料の後半部にあり、それによると開催費用は累計12.4億円でこれは県と市が折半、他に会場整備費用として市が6億円負担とあります。
合計で18.8億円の公費を投入して、入場者は19万人弱。入場者ひとり当たり、133円もの公費が使われたことになります。これに対して、入場者一人あたりが支払っ入場料はたったの191円 (小中高生は入場料が\300、幼児は無料)。
税金のムダづかいもここに極まれりという感じです。

これ以外にも、参加企業や自治体から協賛金や出店料を集めており、その総額はかなりになるはず。都市緑化機構にどの程度のカネが上納されたのかも不明。
 
県議と鳥取市議には、この緑化フェア実行委の全決算を公開するように県と市に強く要求して欲しいと思います。

 
・「白いタヌキ事件」
 
緑化フェア開催中には「白いタヌキ事件」も発生しました。例によってマスコミ受けのことしか頭にない平井知事が、たまたま南部町で捕獲されたタヌキの白化個体(アルビノ)を緑化フェア会場に展示するように指示して客の増加をねらった。これに対して、全国から抗議の電話やメールが県庁に殺到、県はすぐに展示を中止した事件です。記事は今でもまだ読むことが出来ます。
 
 
筆者は日々のニュースについては、もっぱらYahooのニュースサイトを一日に何度も見ており、新聞やテレビはほとんど見ません。この白いタヌキ騒動のさなかの10月末、Yahooのニュースサイトでもこの事件が報道されました。するとたちまちのうちにコメントが殺到、数時間で千件を超えたと記憶しています。その大半が県の処置に抗議する内容でした。
 
「なんてかわいそう、早く解放してあげて!」
「こんなことを平気でするなんて、鳥取県は野蛮県、後進県!」、等々。
 
王様知事の毎度の暴走によって、またしても県の評判を落としてしまいました。
 
/以上