「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

当ブログの内容は編集者個人の見解であり、「市民の会」の公式見解ではありません。当ブログへのリンク、記事内容の引用等はご自由に!

新国立競技場の建設計画見直し!鳥取の新市庁舎は見直さない?

 今日の夕方のニュースによると、安倍首相が新国立競技場の建設計画の見直しを決定したそうです。憲法違反と指摘されながら安保法案を強行採決して支持率落ち目の安倍氏にとっては、これ以上の不人気は避けたいので森元総理に引導を渡したのでしょう。
 昨日まで、新国立でのラグビーW杯の開催に強硬にこだわっていた森氏ですが、首相の前では、あっさりと白旗を掲げて設計見直しに同意。情勢不利とみるやさっさと逃げ道を探すところなんざ、さすがベテランの大物政治家です。いざと言う時の変わり身が早いからこそ、政治の世界で長年権勢を誇って来れたのでしょう。

 この間の経緯をまとめた記事としては、日経の次の記事が適当と思います。この記事の中では、設計担当会社として日本設計の名前が挙げられています。鳥取市庁舎新築の見積もりをした、鳥取では悪評紛々の、あの日本設計です。

 また、この騒動の黒幕は誰か、という点については次の記事が詳しい。筆者の降旗氏の表現はかなり格調低いが、その舌鋒には鋭いものがあります。この記事によると、文科省とJSCがボンクラぞろい、おまけに「サメの脳みその元総理」が口出ししたのでこうなったとか。ただし、文末を見ると参考文献が週刊誌なので、この記事の信憑性はハテナ?です。 いずれにしても、この事業の「誰が責任者なのかはっきりしない」という点が最大の問題点なのでしょう。

 さて、新国立の建設費は去年発表の金額の約1.5倍。鳥取市新庁舎の建設費も、去年の12月まで公表されそれに基づいて新築移転の位置条例を採決した費用よりも1.5倍高い金額を、この春になって市が突然公表。新国立の設計見直しにならって、鳥取の新庁舎費用も全面的に見直しをかけるべきというのが、費用を負担する側にある鳥取市民の大多数の声でしょう。でもその声は、残念ながら深澤市長には届かないだろう。安倍氏は一応は国民の支持率を気にしているようだが、深澤氏は自分の元上司からの支持率のことしか頭にないように見えるからです。

 さらに、新国立の問題と鳥取の新庁舎問題の間には、はっきりとした相違があります。それは、鳥取の場合には、事業の責任者がきわめて明確であるということです。深澤市長と、その市長の方針に賛同した市議会の与党議員(会派新生、公明党、会派市民フォーラム、一部の無所属議員)に、この当初費用の1.5倍に膨らんだ建設費用を認めた責任があることは明らかです。

( ちなみに、合併特例債を使って建設費用の七割が国から支給されるというのは、完全なウソです。国から支給される地方交付税は年々減り続けています。市が銀行等から借金した合併特例債の七割を国が負担するのであれば、地方交付税は毎年増えなければなりません。詳しくは「開かれた市政をつくる会」の最新記事をご覧ください。要するに、国の支援などは期待できず、新庁舎の建設費のほとんどは市民の将来の負担になります。)

 そして不思議なのは、議論を重ねるほどに費用の見直しを行って建設費用が削減されていくのが普通なのですが、我が鳥取市の場合には、時間が経過するほどに会議を開催するほどに、建設費用が膨らむのです。これは、建設費用を膨らませようとする何らかの圧力が市執行部と与党議員にかかっていることを推測させます。

 巷のウワサでしかないが、市の公共事業の費用の一定割合が特定の有力政治家の政治資金として、工事参加企業から吸い上げられる仕組みになっていると聞いたことがあります。本当にそうであるならば、ことさらに建設費用を膨らませようとして来たこの新庁舎問題の経過の背景を明確に理解することができます。

 話は変わりますが、来年夏の参院選では鳥取と島根が合区となり、両県で一議席を争うという構図がほぼ確定しました。鳥取県東部だけを地盤とする候補が、米子、倉吉や、島根県を地盤とする候補と争って勝てるはずもありません。特に島根の現職は、あの「参院のドン」と呼ばれた青木氏の息子です。

 新庁舎の費用をさらに膨らませて来年夏の参院選の選挙資金をより多く確保しても、完全にムダ金に終わる公算が非常に大きくなりました。さあ、どうします?