「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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安保法制のパロディ動画

 すでにご存じの方も多いでしょうが、かなり遅ればせながら、面白い動画を知ったので紹介しておきます。元々は自民党の政策宣伝動画であったが、それを換骨奪胎したもの。著作権問題ですぐにyoutubeから消されるかも知れないので、確認はお早めに。

 このあかりちゃんの発言口調は、今どきの女子高生風でアクセントが無くかつ早口であり、(特にお年を召した方には)聞き取りにくいかもしれません。次のサイトが背景も含めた詳しい内容説明をしているので、ご参考まで。

 この「ヒゲの隊長」こと、参議院議員佐藤正久氏は元々2004年からの自衛隊イラク復興隊長を務めたことで有名になり、その後参議院選挙に出て当選した人物。彼の指揮下にあった部隊の当時の状況は以下のサイトに載っています。自衛隊の現地宿営地では、隊員には隠して棺桶10個を用意していたとのこと。

 この自衛隊イラク派遣の意義はなんだったのでしょうか?アメリカから、「お前の所からも軍隊を出さないと、仲間外れにするぞ!」と脅されて、しょうことなしに法律をいじって自衛隊を派遣できるようにしたというのが、当時の政府のホンネであったのではないでしょうか。「自衛隊を派遣することがイラクの安定につながる」という判断を自分のアタマで導き出したようには到底見えません。アメリカに強く要請されたので、思考停止してその場しのぎの対応をしただけなのでしょう。その結果が今のイラクのテロ頻発の惨状です。

 イラク派遣の最大の根拠であった大量破壊兵器は元々なかったことが判明。フセイン大統領は潜伏後につかまって絞首刑に処せられたものの、その後のイラクの治安はテロの頻発など不安定さを増すばかり。イスラム国の台頭もあり、いまや中東全域が大混乱状態に陥りつつあるようです。

 思うに、アメリカという国の行動パターンは、「やたらに農薬をばらまく大規模農家」によく似ているような気がします。少しでも虫の被害が出たら、すぐに農薬を大量に散布する。一時的には害虫はほとんどいなくなるが、すぐに抵抗力を増した変種が現れて、以前にも増して被害を与える。この繰り返しを続けているうちに、ついには彼の農園はお手上げ状態となってしまう。(なお、これはあくまでアメリカ的思考パターンを表現するための比喩であり、テロ実行犯を害虫と同一視しているわけではありません)

 マッチョなアメリカが自分の利益確保のために世界で武力を行使しようとすればするほど、アメリカの敵がそれに比例して増えることは眼に見えています。財政難のアメリカは、日本に武力の一部を肩代わりしてもらいたいのでしょう。しかし、アメリカの防衛の一部を肩代わりし、さらにアメリカ的行動パターンまでもまねすれば、日本の敵も当然増えることになります。

 プーチン金正恩のように、「俺の言うことを聞かないと核兵器を使うぞ」と公然と脅しをかけるような前世紀の遺物的な人物が指導する国がまだ近隣に存在している以上、日本はアメリカの核の傘の中に居続けるほかに選択肢がないということは、現状認識としては正しいと思います。しかし、だからと言って、日本がアメリカのやりたがっている戦争のすべてに付き合わなければならない義理は全くないものと思います。

/以上