「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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安保法制は祖父の無念を晴らすため?

 少し前の記事ですが、日経に面白い記事があったので御紹介します。

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 この記事を要約すると、安倍総理の行動日程は、父の安倍晋太郎と、母方の祖父の岸信介の命日等に合わせて設定されてきたという内容。

 以下、この記事の中であげられた例。

2015.7.15  衆院で安保法制案強行採決
1960.7.15 日米安保条約再改定に反対する世論に押され、岸内閣総辞職
(祖父の無念を晴らした?)

2014.7.31 安倍総理、チリを訪問しチリ大統領と会談。自分の祖父が同じ日に訪問したことを大統領に紹介。
1959.7.31 岸総理、チリを訪問し首脳会談

2015.5.15 安倍総理、安保法制法案を国会に提出
2014.5.15 有識者懇談会が憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を求める報告書を提出
1991.5.15 安倍総理の父、安倍晋太郎の命日

1987.8.7 安倍総理の母方祖父、岸信介の命日

さて明日8/7は、政治家としての師と仰いできた祖父の命日です。
安倍総理は何をするつもり?何かプランがあるのでは?
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 筆者は、安倍総理ファザコンならぬジジコン(ジジイ コンプレックス)と呼んできましたが、この記事は、その心理的傾向の実証例を如実に示しているものだと思います。岸信介氏は「昭和の妖怪」とも呼ばれた人物で、腹芸はお手の物。旧関東軍大本営の制止を無視し暴走して勝手にでっちあげた、麻薬栽培が大きな収益源だった「満州国」の実質ナンバー2でもありました。

 その岸信介氏の孫は尊敬する祖父の足跡をひたすらに追っているようです。「自主憲法制定」、「自主軍備確立」、「自主外交展開」を主張した岸信介の戦後思想を詳しく知ることは、安倍総理の今後の行動を予測する上で極めて有益でしょう。

 それにしても、世界の中で日本の立つべき位置を冷静に分析・議論して、日本のあるべき将来像を国民の合意の元で決めていこうとするこの重要な時期に、自分の祖父の無念を晴らす思いだけで国の指針を決めようとするような総理大臣を持っていることは、日本国民にとって大きな不幸だと思います。

 こんな動機によって発議された安保法制が成立し、それに基づく上部の命令に従って実際に戦地に派遣されて命を落とす自衛隊員は、気の毒というほかに言いようがありません。自民党公明党の国会議員の中にも、こんな法案に反対したい議員はたくさんいるはずなのに、なぜ黙っているのでしょうか?

 70年以上も前の戦前の亡霊にとりつかれていない、もっとまともな人物が今の日本のリーダーになって欲しいものです。

/以上