「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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ナショナリズムと戦争

 毎年、この時期になると戦争関連の記事やテレビ番組が増えます。今年は敗戦後70年の節目でもあり、特に多かったようです。その中で今年一番印象に残ったのは、次の二つでした。
 
① 「カラーでよみがえる太平洋戦争」 (8/15 20:00~ NHK総合 地上放送)

 当時モノクロで撮影された映像を、当時の資料に基づいて着色し再度放映したものです。紹介された映像はいままでに見たことのあるものが多かったが、着色したことで、あらためて非常に生々しく感じられました。モノクロではそれほどにも感じなかったが、カラー化したことで、当時きわめて悲惨な状態であったことがよくわかりました。一例をあげれば、長崎での原爆被爆直後に、放心したような表情で赤ん坊に乳を含ませている若い母親のあの有名な写真。白黒では気づかなかったが、カラー着色された写真では赤ちゃんの頭は血で真っ赤に染まっていました。母親が熱心に授乳しても、とても長くは生きられそうにないように見えた。

 今後、この映像は「NHK オンデマンド」等に登録されて、ネット上でいつでも見ることができるようになるのではと期待します。NHK鳥取は県と市の広報部の下請け機関へと堕落しており報道機関としての独自の視点は皆無だが、東京のNHKの取材陣と編成局には、引き続き上からの圧力に負けず頑張っていただきたいと思います。


 脳科学者 中野信子さんへのインタビュー記事。中野さんは「美人すぎる脳科学者」として最近TVでよく見かけます。蛇足ですが、同氏は一見「堅実な研究者」に見えますが、その実像はなかなかスゴイものがあります。「中野信子+カツラ」または「中野信子ゴスロリ」で検索すると、彼女の実生活の一端が垣間見えます。

 さて、19世紀以降の近代の国民を総動員した戦争では、「自分の国家に対する明確な帰属意識」という意味でのナショナリズムに国民の大多数が染まっていることが、国民戦争の前提条件として必要不可欠。この記事はそのナショナリズムの起源に関するものですが、なかなか深刻な結論となっています。

 この記事によると、文化背景が全く同一である少年集団を二つに分けて、「自分たちのグループは特別だ!」という教育を徹底的に行う実験をしたところ、数週間後には互いに相手グループに対する憎しみをむき出しにした行動をとるようになってしまったとのことです。また、「外部の共通の敵」への意識が強くなると、グループの結束を乱すものに対する攻撃、すなわち、「グループ内部に対するいじめ」も強まるとのこと。

 要するに、教育やマスコミを介した情報操作によって、権力を持つ側によって国民の意識はいかようにも変えられるということです。この記事を読むことで、時の権力が教育とマスコミを好き勝手にコントロールすることの危険性がよく理解できます。

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