「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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やはり、原発再稼働は止めよう!(3)

 「原発再稼働は止めよう」という記事は今年の3/93/14にすでに書いていますが、もう一回追加します。

 先日、「日経サイエンス」(2015年4月号)という雑誌を読んでいたら、過去の巨大噴火の被災範囲と原発設置場所を一緒に載せた図がありました。
 
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 一番上の図のクリーム色の範囲が火砕流に覆われると想定される地域です。これらの地域の中、または隣接して、北から、泊、東通、核燃料再処理工場、伊方、玄海、川内の六か所の原発・関係施設が立地しています。

 この中で、鹿児島湾に位置する姶良カルデラは約2万9千年前に大噴火を起こし巨大カルデラを形成、その中に海水が浸入してできたのが現在の鹿児島湾とのこと。
この大噴火の詳しい内容は次のサイトに載っています。

 姶良カルデラの大噴火の際には、流出した火砕流が半径約70km以上(川内原発は約50km圏)を埋め尽くし、その厚さは最大で100mにも達したそうです。火砕流が及ばなかった地点も厚い火山灰が降り積もり、その範囲は日本列島のほぼ全域に及んだ。その火山灰の降下直後の厚さは、南九州 30m、高知県宿毛20m、鳥取県大山付近 8m、京都 4m、東京 10cmにもなったとのこと。

 昨日11/17に、一号機に続き川内原発二号機も再稼働を開始して営業運転に入りました。仮に、川内原発が十年、二十年後に運転を終了して廃炉になるとしても、運転で蓄積された高レベル放射性廃棄物を移す場所がありません。引き続き、数十年(数百年?)現在の敷地内に保管し続ける可能性が極めて高い。保管場所を火砕流が襲ったら、もはや誰も近づけず手が付けられなくなる。九州全土どころか日本列島全体が、放射能汚染で居住に適さなくなる可能性すらあり得る。川内原発の危険性については、地震・火山の専門家がすでに再三指摘していることでもあります。

 さらに、仮に高レベル放射性廃棄物をまとめて日本列島のどこかに埋めようとする場合、結局は警察や軍隊(自衛隊も将来は国軍化?)を動員し、「公共の利益」の名のもとに反対する住民を国家暴力で排除して処分場の土地を確保することになるだろう。原発稼働に固執し続けることで、現在は曲がりなりにも民主主義国家である日本を、将来大きく変質させてしまう可能性が高まります。

 以前の記事でも紹介したが、「日本列島で巨大噴火が起きる確率は百年間で1%」と言われています。新幹線や飛行機で、事故が起きる確率が0.1%でもあると予測されたら、必ずいったん運行を中止して点検を行うでしょう。最近では大雨や台風の接近が予想されたら、JRや航空各社は即座に運行中止しています。そのほとんどは幸い空振りに終わっているが、それがいまの日本の常識です。

 なぜ安倍政権は、廃棄物を後始末する見通しも全く立たないのに、あえて原発再稼働を容認するのか?
 各電力会社は原発再稼働することで電気料金が安くなると主張しているが、今後十万年にも及ぶ廃棄物の保管コストを計算に入れているのか。ツケを子孫に回しているだけではないのか?
 日立・東芝・三菱等の原発関連メーカーは、原発設備を作って金儲けをする一方で、廃棄物処理費用を国民に税負担させようとしているが、誰にとっても迷惑なモノを排出する責任は感じないのか?

 ちなみに、福島第一原発事故をうけて、早くもその四か月後には、ドイツは原発の全廃を决定しました。
 なぜ、日本の政治家や企業経営者は将来を見据えた決断ができないのか?

 目先だけの利益にとらわれて大局を見ることができないようでは、約70年前に国民を底なしの不幸におとしいれたあの戦争を、喜々として始めたヤカラの同類というほかはありません。
 
/以上