今回の熊本の地震では、一昨日の夜発生の地震が最大かと思っていましたが、今朝未明の地震の方がエネルギーとしては二けた以上も大きかったそうです。不運にもこの災害に巻き込まれ亡くなられた方々には、深くお悔やみ申し上げます。
今夜、今現在、鳥取でも風雨が強くなってきました。被災地の戸外で、雨に打たれる辛苦はいかばかりでしょうか。早く余震が収まることを切に願っています。
しかも気になるのは、震源が北東に移動しつつあるらしいとのこと。
和歌山から四国を縦断して九州へと延びている「中央構造線」に沿って震源が移動しているらしい。この中央構造線という言葉自体は知ってはいたが、どのようにしてできたのか、地震との関連性はどうなのか何も知らなかったので、少し調べてみました。
「中央構造線」
要するに、この線を境として、全く異質な岩盤が合体して出来上がったのが現在の日本列島であるとのこと。現在の日本列島は、ユーラシアプレートに対して、北米、太平洋、フィリピン海の三つのプレートが絶え間なく圧力を加えている状態であり、その圧力に耐え切れなくなった岩盤が破壊した時に発生する振動こそ、地震の本質的原因とのこと。異質な岩盤が接合している中央構造線において地震が頻発することは、当然予想されることなのでしょう。
一見してわかるのは、予想通りに中央構造線沿いに活断層が集中していることです。中央構造線は、今回の震源である熊本付近から、阿蘇、別府を通って伊方原発がある佐田岬半島のすぐ北側を通り、徳島県の吉野川、和歌山県の紀ノ川を経て、浜松付近で北に曲がり、長野県内を北に向かい、二年前に大きな地震があった白馬村を経て日本海に達しています。
①川内原発
この産総研の活断層の位置は現在までに分かっているものだけを網羅しています。地震で動いてから、初めて活断層の存在が判ることが多いのです。21年前の阪神大震災でも、甚大な被害をもたらした神戸市内の活断層は、震災前にはその存在は知られていませんでした。
②伊方原発
この地図の佐田岬半島の根元にある「伊方町」という表示から西へ3kmの半島北岸に伊方原発があります。活断層との距離は約6km。今回の熊本の地震の震源地はその大半が地下約10km程度。仮に活断層の真下の地下10kmに震源があれば、原発直下での地震と言っても差し支えないでしょう。
③島根原発
中央構造線沿いではないが、山陰地方には多大な影響を与えかねない原発なので、この場で触れておきます。島根原発の位置は、この地図の中央やや左寄りの「鹿島病院」から北北西に2kmの海岸にあります。既知の活断層から約3kmしか離れていません。
地震であれ、本ブログの2/3の記事で指摘したような小規模テロ集団による攻撃であれ、島根原発が大規模な放射能漏れ事故を起こした場合には、30km圏内に含まれる境港、米子、安来、松江、出雲、雲南の六市住民の計約60万人の大部分は、住み慣れた我が家を離れて、どこか別の土地に避難しなければなりません。福島での実例を見るように、永久に我が家に戻れない場合も想定されます。市民一人一人の一生を左右しかねないそのようなリスクを負ってまで、原発を維持し続けなければならない価値が、本当に原発にはあるのでしょうか?
産総研のデータベースで敦賀市付近を見れば一目瞭然、まさに「活断層の巣」と言ってよい。いつ大地震が起こっても不思議ではないでしょう。関西電力も当時は知らなかったとはいえ、よくもまあ、こんなところに原発を集めたものだと思います。
先を見通す能力がいささかでもある人であれば、この狭い列島上で世界の地震の約十分の一が発生し、かつ火山噴火などの地殻変動の絶えることが無い日本列島上で、原発を建設して稼働することが、そしてその放射性廃棄物をこの列島上に埋設して数万年以上も保管しなければならないことが、いかに危険であり、かつ将来世代に対して極めて無責任であるかが理解できることでしょう。
政治家には、少なくても十年、二十年先を見通す先見能力が不可欠のはず。それなのに、原発問題で失言を繰り返す丸川珠代環境相などは、自分が今座っている大臣のイスの保全のことしかアタマにないらしい。彼女の発言には、政治家として不可欠な先見力も、想像力のカケラも見られない。
ウソの決算を積み重ねた結果として経営危機に瀕したかっての名門である東芝は、稼ぎ頭の医療部門を売りに出しても原子力部門だけは守り通すつもりらしい。新興国相手にはまだ商売になると思っているようだが、テロと健康被害の格差拡大に直結する放射性廃棄物を副産物として生産する原発に係わり続けることは、今となってはモラルハザードの対象でしかない。
原発にかかわる企業には将来は無い!株を持っている人は、即刻売却することをお勧めします。
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