「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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日本の組織に特有の「空気の支配」

燃費偽装が発覚して約一か月。急転直下、三菱自動車ルノー・日産グループの傘下に入ってしまいましたね。将来が不安視されていた三菱自動車にとっては、むしろ、これを契機に日産というしっかりとしたバックが付いたことで、「災い転じて福となした」と言ったところでしょうか。

決算偽装の東芝も、稼ぎがしらの医療部門子会社を売却して一時的には危機を脱したようです。しかし、このブログで再三指摘しているように、将来、社会の厄介者になることが眼に見えている原発事業に社運をかけてしまったのは致命的な判断ミスだと思います。このままでは、名門東芝の復活は期待できないでしょう。

さて、三菱自動車東芝といった名門企業が、なぜ破たんしてしまったのでしょうか。その原因について論じた記事があるので紹介します。

なお、この記事はダイヤモンドオンラインに掲載されたものですが、このサイトの記事は登録さえすればほぼ毎日無料で読むことができます。他のサイトのように一か月後には読めなくなるということもありません。記事の内容についても、特定の主義主張に偏ることは無く、経済誌らしくあくまで事実にもとづいた客観的な記述内容でありお勧めです。


この記事の筆者は、日本的組織の失敗の本質は次の二点にあると論じています。著者の説明を引用すると次のようになります。
 
・空気の支配
「「空気」とは日本でよく使われる言葉ですが、筆者は「空気」を、それをあえて検討しないという暗黙の了解をつくることだと捉えています。言い方を変えれば、あることを一つの視点だけで解釈するように固定させ、他の視点から検討させないことです。・・・」
 
・人的ネットワーク変調の組織
「人的ネットワークを過度に重視した組織構造では、合理的につくられているはずの組織の中で、非公式の人間的なつながりによる意思決定が強力に機能してしまう。結果として、間違いがいつまでも是正されず、膨らみ続けて致命的な失敗・敗北を生み出してしまうのです。・・・」
 
自分は、この記事を読んでいて、ある光景を思い出しました。鳥取市は今年の二月市議会で、今年の秋からの下水道料金の14.6%もの大幅値上げを決定しました。
 
当時、市議の誰かがこの問題で市執行部を厳しく追及することを期待して、自分は市議会を傍聴してみたのですが、あにはからんや、まともに追及する議員は一人もいませんでした。まるで、「下水道料金値上げ問題に触れてはならない」との暗黙の了解があるようでした。与党議員だけでなく野党議員までもがこの空気に支配されたらしく、重苦しい空気の中を議事だけが淡々と進行していました。
 
今の鳥取市内に充満するこの沈滞感は、いったいどこから来るのでしょうか?若手職員にとっては、不満があっても言いたいことも言えないままに、周囲の空気に流され続ける浮遊感。「あの人(竹内功 前鳥取市長?)の言うとおりにしていれば、絶対に得をするはず」との周囲の言葉を信じて思考停止し、仕事をしているフリのパフォーマンスのみで市民の税金からなる給料を受け取っている与党市会議員連中の自己喪失感。
 
何だか、この鳥取市を包む今の空気は、旧日本軍を支配していた空気と同一じゃないかと思わせるものがありますね。
 
その兆候は、竹内功前市長の後継者指名を受けて当選した深澤現市長が、就任直後に若手職員を積極的に起用して様々なアイデアを出させたが、いずれも見事に失敗した事例にも見て取ることができます。
 
いわく、「人口増のためと称し、公務員限定の婚活事業」、「鳥取城のシンボルとしての餓え(カツエ)さんイラスト提案事件」、「環境保護を無視した国立公園鳥取砂丘での光のタワー提案事件」等々。若手の市職員の発想が、現実の社会常識や社会規範から完全に遊離している実態が、これらの事件から明白に見て取れると思います。
 
まさに、上に紹介した文献の中で、『 現実との接点を失えば、トップやその組織はやがて「妄想の世界に入る」ことになります。しかし、それは組織の外の世界である現実の前には、木端微塵に吹き飛んでしまう、いわば砂上の楼閣なのです。・・ 』 と指摘されたことと同一の現象が、鳥取市役所の中で、今現在、起こっているのだと思います。
 
この失敗に懲りたのか、最近の深澤市長は何ら積極的な施策を打ち出せず、前任者の方針をただひたすら遵守するだけの守りに徹しているようです。このままでは、鳥取市の行く末に待っているのは、財政破たんに伴う致命的な敗北・解体だけしか残っていないと心配するしだいです。
 
財政破たんしたあの夕張市の現在の人口は、ピーク時の七分の一以下。今では一応は市とは言いながら、その人口は一万人を切っています。夕張市長の給料は、手取りで月二十万円に満たないそうです。
 
鳥取市職員、鳥取市議会の(特に与党議員の)皆さん、いつまでも他人(竹内功氏?)任せにして思考放棄していないで、そろそろ自分のアタマで今後の鳥取市をどうすべきなのかを真剣に考えてください。今までのように市財政ひっ迫のツケを市民の負担にすり替えているだけでは、鳥取市民はこの街からどんどんヨソの自治体に流出してしまいますよ!当然、君たちの給料も、今よりも大幅に減ることは確実です。
/以上