「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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参院選比例代表候補の鳥取市での得票数

二週間前に終わった参院選。遅ればせながら、鳥取市に関係する比例区候補者の鳥取市内での得票数を調べてみました。市内でよくポスターを見かけた候補者についての調査結果です。

所属      候補者名  鳥取市   鳥取県    全国     備考
自民党    竹内 功   10,978       26,674         87,578   前鳥取市
自民党    徳重雅之      898           3,340        521,060  全国郵便局長会
自民党    足立敏之             293         1,301        293,735  国交省出身
民進党    鎌谷一也           5,160       14,709         26,717    県畜産農協
公明党    谷合正明      9,114       28,540        478,175  
幸福実現党 釈 量子      62    178        28,579
 
これらの数字の出所は県選管のサイト

竹内氏の市内での得票数の少なさが目立ちますが、この話題はトリとして取っておきましょう。目立つのは、公明党の谷合氏の強さです。県全体の比例代表の個人票では、竹内氏を抑えてトップです。公明党、恐るべし!

筆者は公明党のような宗教法人を背景とする団体が政治にかかわっている現状については、非常に違和感を感じています。政治は経済や福祉などの現実の問題に対処するための手段、一方、宗教は心の救済に対処するための手段。心の問題に関する信頼感を政治のためにも利用しようとするのはズルいし、問題のすり替えにほかならないと思います。

世界各国には、キリスト教イスラム教に基盤を置いている政党も多くあるが、大概はその国の基盤となる共通の文化的背景がキリスト教イスラム教である場合がほとんどです。創価学会は、日本の各宗教会派の中では特異的に孤立した存在であり、政治を利用して布教拡大、かつ、信仰を利用して選挙での集票を図るという構図が透けて見えます。宗教を基盤とする他国の政党とは同列には論じられません。

民進党の鎌谷氏は、もっと票が取れるだろうと見ていたのですが残念でした。選挙期間中に農村部を車で走ったら、竹内氏のポスターはほぼゼロで鎌谷氏のポスターばかりでした。かなり浸透しているのかとは思っていたが・・・。やはり、出馬表明があまりにも遅く(投票日のひと月半前くらい)、名前がほとんど浸透しなかったというのが低迷の最大の理由のようです。

幸福実現党は、ポスターがベタベタとたくさん貼ってあるので取り上げたが、あきれるほど浸透していないことがよく判りました。費用対効果の面でみれば完全な失敗ですが、この党は、いったい何が目的で毎回選挙に出て来るのでしょうか?この政党も、新興宗教の「幸福の科学」をバックとしています。この党の目標は、「第二の公明党」になることなのですかね?

 
さて、自民党の候補者三名について。徳重雅之氏と足立敏之氏は、いずれも全国郵便局長会と大手ゼネコンという支持団体がついています。徳重氏は自民党の中でのトップ当選でした。県内でも、自民党の候補者の中では竹内氏に次ぐ得票数でした。全国郵便局長会という組織の強固さが見て取れます。小泉内閣の郵政改革に抵抗する過程で、逆に組織が強化されたようです。
 
足立氏は国交省出身であり、建設・土木業界の票がどの程度集まったのかを見るために上の表に載せたのですが、県内ではたいした票数ではありませんでした。ゼネコン大手からの支援は当然あったのでしょうが、土木・建設業界の末端に位置する県内企業にはあまり浸透しなかったようです。
 
最後に竹内氏の得票数について。県内自民党のボス、山口県議は「島根が一万票しか集めなかったので負けた」と言っているが、肝心の地元の鳥取市内の票が一万とちょっとでは、到底勝てるはずもありません。地元の自民党系の県議・市議がサボタージュし、大半の市民が竹内氏にアイソをつかした結果がこれです。
 
過去の竹内氏の得票を調べてみました。
 
鳥取市長選挙結果
 
H14.4.7   竹内 30,349 初当選
H18.4.9   竹内 41,372 二期目
H22.4.11 竹内 47,322 三期目
H26.4.13 深澤 29,625 (竹内は出馬せず、後継に副市長であった深澤を指名)
 
三期目までは順調に得票を伸ばしてきたが、市庁舎新築をゴリ押ししたことで市政が混乱し支持率が大幅に低下。四期目の選挙の半年前に実施した大規模なアンケート調査で自分には勝ち目がないことが判明、副市長の深澤氏を後継者に指名しました。深澤氏はかろうじて勝利はしたものの、対立候補の鉄永氏と福浜氏の合計得票数は51,255票。対立候補が一本化していれば完全に負けていたはずです。
 
それにしても、今回の竹内氏の得票は予想以上に少なかった。筆者は市内で二万程度は行くのではないかと予想していました。かえって、氏の事をなにも知らない市外・県外からの得票が予想以上に多かった。要するに、竹内氏がどんな人物なのかを何も知らないから組織に言われるままに投票したのであって、氏がどういう人物か良く知っている人ほど投票しない傾向だったというだけのことです。
 
鳥取市自民党の党名、又は自民党候補者名を記入した投票総数は33,410。このうち、党名を記入した票は16,676、竹内氏を含む候補者名を記入した票は16,734でした。自民党を支持してはいるが、竹内とは書きたくなかった人も相当数いるものと思います。
 
市庁舎新築決定で市民負担を大幅に増やしたことに加えて、例の女性問題のウワサの件などで、特に女性層の信頼を失ったことも敗因の大きな原因のようです。筆者が会った中で、竹内氏を支持すると明言した女性は一人もいませんでした。要するに自業自得です。
 
今後注目されるのは、深澤現市長の動向です。この際、悪縁が切れたことを幸いとして、現市長は自分のアタマで考えて、市のために良かれと思う方向にカジを切っててもらいたいところですが、まあ無理でしょうね。
 
元々政治家になるつもりはまるで無く、その手足には何本もヒモがついているように見える現市長。自分を操るはずの人間の権力がほぼゼロとなった状況で、これからどうふるまうのか?まさか、前市長と一緒になって、(繰り上げ当選を目指して)今回比例区で当選した自民党議員の今後の身に起こる不幸をひたすら祈るだけ、ということでは無いでしょうね?
 
今朝の新聞には、市広報室発行の「山陰新幹線早期実現の決起大会」の案内チラシが折り込みで入っていました。主賓は石破大臣、大会を主催する各自治体連合会議の会長は深澤市長とのこと。とりあえずは、より強い権力にすがりつこうとしているように見えます。

/以上