「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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東京豊洲では水銀蒸気が出た!鳥取市の病院跡にはこれから何が出る?

昨日の各紙の報道によると、豊洲市場の地下空洞で基準値の七倍の水銀蒸気が検出されたそうです。

専門家会議は再設置後の初会合で「原因は不明」としていますが、何のことはない。水銀の発生原因は、この敷地を長年使ってきた東京ガスが敷地内に石炭ガラを大量に埋めたことが理由でしょう。

1970年代に第一次オイルショックが起きるまでは、ガス販売業者は、石炭を加熱して都市ガスを発生させていました。この辺の事情は、東京ガス自らが次のサイトの中で語っています。

当時の産廃の処理方法は、実にいい加減なものでした。東京ガスは、蒸し焼きにしてガスを発生させた後の燃えカスである石炭ガラを、大量に工場敷地内に埋めたのではないでしょうか。石炭を燃やした後の灰には、鉛、カドミウム、水銀などの人体に有害な重金属が大量に含まれています。沸点が低い水銀は常温でも容易に気化して、土壌中の水銀が無くなるまでは、土壌から大気中への放散が続きます。石炭灰に含まれている重金属の例については、次のサイトを見てください。


仮に、敷地内に石炭灰を一切埋めなかったとしても、石炭を燃やした煙の中には大量の重金属の微粒子が含まれています。当時の集塵技術ではこれらの微粒子の大半の捕捉はまず不可能。煙突を出た煙が漂っている周辺では、冷却され煙の中で成長した重金属の粒子が連続的に敷地内に落下し続けたのでしょう。

そもそも、石炭灰を大量に埋めた土地に食品卸売市場を持ってくるという発想自体が間違いなのです。当時、石原元知事は「日本を守る」と叫んで、民間所有であった尖閣諸島の国有化を強く主張していましたが、自分の足元にいる都民の健康を守ることには無関心だったようです。

さて、この豊洲市場と似たようなことが、我が鳥取市でも起こっています。例の鳥取市庁舎の新築移転問題です。移転予定地は鳥取駅の南西にある旧市立病院の跡地ですが、この市立病院は、戦後から1995年に市内の南部に移転するまでの数十年間、この地で病院としての業務を続けてきました。

1989年に旧厚生省が医療廃棄物の処理方法を定めるまでは、各種薬剤、体温計、注射針等々の医療系廃棄物は、各医療機関の自己流のやり方で処理されていました。当然、病院の敷地中に埋設廃棄する例も多数あったようです。その証拠に、最近では国内各地で病院跡地から水銀をはじめとする有害物質が続々と検出されています。昔の病院では、消毒薬としての昇こう水(塩化水銀)、水銀製の体温計、赤チン(水銀を含む)などが大量に使用されていました。これらが土壌中に残留している水銀の発生源となったものと思われます。

当、「開かれた市政をつくる市民の会」(以下、略称「市民の会」)は、先月9/15に深澤鳥取市長あてに10項目からなる新市庁舎建設に関する公開質問状を提出しました。この中での七番目の質問として、「新庁舎予定地内の土壌調査の徹底」を要求しています。

10/12に質問状に対する市長からの回答が返ってきましたが、この土壌汚染問題については、「調査したが、有害物質の中ではヒ素以外には環境基準値を超えたものはなかった」との極めて簡単な内容の回答でしかありませんでした。予定地中の中のどこを調査したのか、調査地点は何か所だったのか、有害物質の測定値はいくらだったのか等の詳しい情報は一切含まれていませんでした。この点については、今後、さらなる情報開示を求めていく予定です。既存の調査が不十分な内容である場合には、徹底した再調査求めたいと思います。

なお、当「市民の会」では、この新庁舎に関する質問状の内容と市長からの回答についての報告を、当会の今年度第二回学習会として10/29(土)に鳥取市内で開催する予定です。また、質問状の主な内容が防災面までに及ぶこともあり、鳥取大学の先生をお招きして、防災面から見た鳥取平野の特徴についても学習会の中でお話いただく予定です。

市政の現状について、将来の災害から身を守る方法について関心のある方は、ぜひご参加ください。今回の質問状の内容と回答の詳細、および、学習会の日時と場所については、当会のホームページに掲載しています。

東京の豊洲市場の問題と鳥取市の新庁舎の問題は、極めて似た構図となって来ているようです。両方とも、元々不適当な土地に敢えて新規な施設を建設しようとしたこと、既に退いた以前の首長が今の政治的路線を定めたこと、建設費が当初の想定を大幅に超えていること、市民に対して情報の公開をしぶり続けていること等々、本当にソックリです。

異なるのは、東京都の現在のトップには「小池百合子」氏が座っていることです。仮に、自民・公明が推していた「増田寛也」が当選していたのなら、この豊洲の問題は闇の中に葬られていたことは間違いない。(筆者は、小池知事については好きでも嫌いでもありませんが、あの突破力はなかなかのものだと思います。)

それに対して、我が鳥取市では、既に今年夏の参院選で落選した前市長が直接後継指名した人物が、いまだに市長のイスに座っているわけです。就任後二年以上たっても、市民との直接対話の場に出ることを避け続けている人物であり、まあ、どうしようもない。

この現状を変えるには、市民からの「異議あり!」の声を大きくするほかはありません。それにしても、小池氏のような人物が鳥取市でも現れてくれれば、大歓迎なのですが・・・。
鳥取市民の皆様、10/29の当会の学習会に、是非、多数御参加ください!
ご多忙中とは思いますが、よろしくお願いいたします。

/以上