「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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トランプが大統領!世界はこれからどうなる?

昨日の昼前にクリントンの票が伸びていないのに気づき、それから時々チェックしていたら、あれよあれよと言う間にトランプが優勢に・・。まさかと思っていたが、本当にトランプがアメリカ大統領になってしまいました。

こんな人物に核ミサイルの発射ボタンを預けて、本当に大丈夫なのでしょうか?ロシアに限れば、ツァーリの現代的再来であるプーチンとは性格が共通しているようなので、意外に仲よくやるのかも知れません。昨夜は、ミサイル好きのプーチン、さらに金正恩も祝杯を挙げたのかもしれない。日本では、政治手法が似通う石原慎太郎(核ミサイル好みも共通項)と橋下徹が祝杯を挙げたのかな?

いずれにしても、これをきっかけに、世界中がより不機嫌に、より攻撃的になることを恐れる次第である。

今回、正直感じたのは、アメリカ人も本当にバカだねということ。いや、バカな人間と、そこそこの判断力を持っている人間とが融和することなく、隔絶しつつ同じ国内に同居しているのが今のアメリカの真の姿なのかも知れない。

トランプについての記事は昨日からいやと言うほど出回っているので、いささか食傷気味ではあるが、一個だけ紹介しよう。やはり同じ国の人間が書いた記事が一番参考になると思う。米国出身のタレントのパックンが一週間ほど前に書いた記事である。


この記事の結論は、「トランプを最大限褒めてあげること」だそうだ。どうせ、実務は副大統領以下に任せるのだから、トランプ自身をヨイショしておけばそれでよいとのこと。実用的な意見だと思う。

どのみち、トランプの公約で実現可能なものはほとんどない。例えば、今回の選挙でのトランプの勝利は、主としてグローパル化で製造業の仕事を失った白人労働者に対して、再び仕事を与えることを約束したことで支持を得たことにあるとのこと。しかし、この約束は全く「絵に描いたモチ」だ。

アメリカの製造業の復活条件は簡単だ。アメリカ人が中国人と同じ給料で工場で働らけばよいのだ。それができないからこそ、今の状態になったのである。その中国の工賃すら高くなったので、アメリカや日本を筆頭とする各国の多国籍企業が、中国からミャンマーバングラデシュに工場を移転させつつある。トランプがこれから何をどうしようと、この流れは止められない。

おまけにIT化が進展した結果、製造業の生産性は著しく向上している。世界中の人間に供給する商品を製造するのに必要な労働者の人数は、かっての数分の一以下で間に合うはずだ。製造業の主流がアメリカに回帰することはありえない。仮に帰ったとしても、それが生み出す雇用はわずかだ。白人労働者に対するトランプの約束は、今後すぐに撤回されることになる。

この流れを止めるには、江戸時代の日本のようにアメリカが鎖国するしかないが、江戸期の日本と異なる点は、現代のアメリカには世界的多国籍企業が山ほど存在しているという点である。他国からの輸入は差し止めておいて、自国からの輸出は続けるというようなムシのいい話が通用するはずもない。中国からの輸入品に高関税をかけるとの公約だが、それを実施すれば中国も報復処置としてアメリカからの輸入品に高関税をかけるだろう。アメリカの多国籍企業がそれを容認するはずもない。結局、トランプは、労働者からも、国内大企業からも見放されることになる。

両立できもしないことを約束して大統領になった人物なのだから、その地位を失う時期はすぐに来るだろう。こんなことも見通せないでトランプに投票して、いま「勝った勝った」と騒いでいるのだから、やっぱりアメリカ人の少なくとも半分はバカなのだろう。いや、そもそもトランプ氏自身が、自分ができもしない約束をしていることに気づいていないようである。いや、気づいていながら今まで演技して来たのだとしたら、否定的な意味ではあるが、よほどのタマには違いない。

いずれにしても、このままでは彼の破滅は近い。パックンの言うように、副大統領以下に実務を任せて、部下の苦労を尻目に、自身は宴会部長(宴会社長?)に徹していれば、四年の任期を何とかまっとうできるのかもしれない。

/以上