「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

当ブログの内容は編集者個人の見解であり、「市民の会」の公式見解ではありません。当ブログへのリンク、記事内容の引用等はご自由に!

妻の携帯が水没、今年の流行語?

イメージ 1
 

 森友学園関連のニュースが昨日も山ほど。安倍総理の「妻の携帯が水没して昔のメール内容が不明」という説明には、思わず笑ってしまった。市井の一般庶民にも、この説明をマネする連中が山ほど出て来るだろうな。今年の流行語大賞になるかも・・・。

 昨日の夕方、車を運転している時にラジオを付けてみたら、国会中継社民党福島瑞穂氏が質問をしていた。答弁に立ったのは、稲田防衛大臣

 案の定、稲田大臣の夫が、森友学園財務省の間の国有地の払い下げ費用の折衝時に同席していたとの答弁。「安倍内閣のメンバー+大阪維新幹部」がゾロゾロと出て来るので大変面白い。月並みのTVドラマよりも、この件での筋書きは数段よく出来ていると思う。

 稲田のようなレベルの人間がなんで防衛大臣にまで出世したのか、以前から実に不思議に思っていた。下の記事に示すように、彼女の同級生も同様に感じているらしい。「週刊女性」を発行しているのは光文社。権力に迎合している読売、産経、小学館などと違って、まだ、まともなメディアとしての地位を保っているようだ。


 この記事でわかるのは、彼女は高校生の頃から「権力者に媚びる」特技を持っていたということである。

 筆者が最近感じているのは、稲田防衛大臣のボスである安倍総理も、稲田氏と同様に権力者に媚びるのが実に上手であるということだ。昨年のプーチンと会談、トランプとの二回の会談で、我が日本国総理は、格別に相手に気に入られたようである。プーチンとトランプに会っている安倍総理は、おのれの本分に帰って格上の相手に対して実に伸び伸びと媚びているように見えた。

 安倍晋三の今までの政治的キャリヤの歴史とは、時の権力者に次々におもねることで、権力トップへの階段を一段ずつ登ってきた過程だったのだろう。小泉純一郎に気に入られ、2000年に第二次森内閣官房副長官に抜擢されたことが、彼が大きく階段を駆け上がるきっかけとなった。小泉元総理は、今頃は大いに後悔しているのかもしれない。
 
 わが国の現総理は、相手が自分よりもさらに大きな権力を握っていると感じた状況下で相手に取り入るのが実に上手である。なぜ彼は、権力者に取り入るのがこんなにうまいのか。以前読んだ記事の中でその解明のヒントらしきものを見つけた。


 この記事は今まで特に注目はされてはいないが、安倍晋三という人間の行動原理の根底を解き明かす上で大いに参考になる。この記事の内容を要約すると以下のようになる。

・父方の祖父の安倍寛は、戦争中は反戦政治家だった。

安倍寛とは対照的に、実質的に日本の植民地であった満州国の実権を握り、その後は東条内閣の商工大臣として日本の対米戦争を推進、さらに戦後には米国の日本占領方針の転換によりA級戦犯から一転して総理大臣までのし上がったのが岸信介。その娘である母洋子へのマザコン、さらに、父の安倍晋太郎のようには勉強ができないがゆえの学歴コンプレックスが母方の祖父である岸信介に対する安倍晋三の憧れをつのらせた。

岸信介という大きな権威にすがることで、安倍晋三は自己のプライドを支えるとともに、(自分の実力以上に)プライドを肥大化させた。

・現在の安倍晋三は、「おじいちゃんの悲願達成」という目標だけを見すえて、日本の国政を動かそうとしている。

 この記事は、小学館の「週刊ポスト」の二年前の記事からの引用であるとのこと。二年前の小学館は、まだ、まともなメディアだったらしい。

 引退した元総理であり、「昭和の妖怪」とも称された岸信介の私邸には、今日の森友学園と同様に、私欲がらみの有象無象の連中が連日のように門前に列をなしていたことだろう。少年時代の安倍晋三が、彼ら陳情者が自分の祖父である権力者に媚びる姿勢を日常的に見ていたことも間違いはなかろう。そのような絶対的権力を引退してもからもなお持ち続ける祖父に憧れていた少年が、のちに祖父の行動を完璧に真似することで政治家としての自己形成を果たしていったのは十分に想像できることである。

 このような環境で育った少年が、「相手に媚びる技術」の習得こそが最重要であると認識するのは当然であろう。また、自分と同様に、この技術に秀でた人物を実力以上に評価しようとするのも当然であろう。その生きている実例が稲田大臣だ。

 さて、今回の森友学園騒動の落としどころはどうなるのだろうか?(森友の次には加計学園の問題もひかえているのだが?)

 現在のマスコミの論調は、安倍夫人が森友に百万円を送ったかどうかという点に集中している。もちろん、どちらかが真っ赤なウソをついていることになるので、それは当然だ。

 籠池氏がウソをついていたのなら、「大阪のオッチャンがまたホラ吹いた」程度で、偽証罪を課すだけで終わる。しかし、首相とその夫人が国会の場で公然とウソをついたのであれば、その重要性は籠池氏のウソの何万倍、何百万倍にもなるだろう。

 なぜならば、他国はいざ知らずこの日本では、国会で平気でウソを突くような人物には、到底、国政を任せるわけにはいかないからだ。その意味において、自民党が籠池氏の国会証人喚問をしておきながら首相夫人の証人喚問を認めないのは、国会の軽視にほかならない。国会の場でウソを平然とつける人物であっても、国政のトップに居座り続けられることになりかねない。国会への信頼が失われる重大な危機となる。

 そもそも今回の事案で、安倍夫妻の口利きが無かったとしても、それで良しとはならない。安倍晋三の説明は、「自分たち夫婦は口利きをしていない」ということのみに終始している。それでは、権力者に迎合して異常な案件を特別に認可した財務省大阪府等の官僚の体質は問題にしないのか。法に触れなければ全然問題はないと言うことにはならない。
 
 元首相の孫として生まれた安倍晋三氏と、大会社の社長の娘として生まれた昭恵夫人にとっては、周囲の人間が自分たちへの配慮で走り回っている光景は、子供のころから見慣れている当り前の光景なのだろう。今回、自分たちがその当たり前のことで批難される理由が、このお二人には全然理解できていないように見える。

 しかし、官僚が権力者の意向を忖度(そんたく)して(そもそも、「云々をデンデンと読む」ような安倍晋三氏の学力レベルで、この漢字が読めるのだろうか?)、権力者に近いといったん見なされた人物への特例処置を認め続けていたら、この国は一体どうなるのか?
 

 この森友学園問題は、普通の会社を例として考えればわかりやすい。

 社長お気に入りの増長社員が社内ルールを無視して、「俺だけには出張旅費や残業代を二倍にしろ!」等々と経理課長に無理難題を吹っかけてきたとする。経理課長に対して社長の直接指示が全くなかったとしても、課長が背後の社長の存在を忖度してこの社員の言うとおりにし続けていたなら、この会社の将来はどうなるのか?

 社長に媚びようとする社員の増加、そのような行動に同調できない社員の意欲・モラルの低下は間違いない。その先には待っているのは会社の業績の急降下、最悪の場合には倒産だろう。

 安倍晋三が現在主張しているのは、「俺はこの件では、官僚には直接指示していないぞ」という一点だけである。今回の事案が起こったことの背景にある、政治家の権力を恐れて忖度する官僚の存在と彼らのモラルの欠如、日本全体での不平等感のまん延という事態に対する想像力が、安倍晋三には完全に欠如している。一言で言えば、彼には、この国を良い方向に導いていく能力が欠けている。

 このような人物が「正規職と非正規職の格差の改善」を訴えても、到底信用できるものではない。選挙目当ての一時的なスローガンに過ぎない。今回の事例に見るように、権力の背後の存在にだけは敏感な官僚連中が、背後の権力を持たない非正規職の不平等の訴えをまともに取り上げることなどありえない。

 実際には、この格差は最近は改善傾向にあるが、その理由は、団塊世代が本格的に引退し始めて労働力人口が激減しつつあるためである。最近、安倍政権の成果として求人率の改善を挙げている記事が散見されるが、人口構造の変化からもたらされる当然の結果を安倍内閣の成果にすり替えてゴマをすっているだけである。こんなことをまことしやかに書く人物の提灯記事は、今後は読むに値しない。

/以上

追伸:上記ブログを書き終わってアップしてから、ひょいと下の記事を見たら、大変なことが書いてあった。例の夫人付の女性官僚からのFaxには二枚目があり、そこには口利きの事実が公然と書かれているとのこと。それにしてもマスメディアの自主規制ぶりもひどい!