(日経電子版は、登録すれば月に十件までは無料で読めます。登録が面倒という方のために、上の記事の概要を以下にまとめておきました。)
・都道府県と市区町村を合わせた全地方公務員における非正規職員は、2016年時点で約64万人。2005年に比較して四割も増加。
・職員の非正規比率が高い自治体
①都道府県
一位 沖縄県 18.8%
二位 鳥取県 16.2%
三位 宮崎県 16.1%
二位 長野県中野市 59.4%
三位 長野県塩尻市 56.7%
・非正規職員の時給は平均で約千円。フルタイムでも年収は約200万円。原則は毎年契約更新であり、昇給も無い。「同じ職場でありながら、正規と非正規の年収に2~3倍の差があるのは不合理」との指摘がある。
この記事に対する筆者のコメント。
(1) 都道府県の一位から三位までは「一人当たり県民所得」のワースト順位と見事に一致しています。「平成26年度県民経済計算」によれば、一人当たり年間県民所得は以下のようになります。
47位 沖縄県 212.9万円
46位 鳥取県 233.0万円
45位 長崎県 235.4万円
44位 宮崎県 238.1万円
長崎県が割り込んでいるが、それを除けば「非正規職員比率」の順位は、「一人当たり県民所得」の順位の裏返しにほかならない。要するに、「貧乏な県ほど、非正規職員を増やしたがる」傾向にあると言ってよいでしょう。
貧乏県では行政自らがワーキングプアを増やしているが、本当にこれでいいのか!さらに格差を増やすだけではないのか?行政が向かう方向が根本的に間違っている!
ちなみに、我が鳥取県は2005年には「一人当たり県民所得」で全国36位であったものの、その後は急速に転落、2011年には全国46位までに落ちてしまいました。以降、四年連続でこの順位。最下位が常連である沖縄県との差は年々縮小しつつあり、この分では近い将来に全国最下位の座を勝ち取るやもしれませぬ。この件については、別途、あらためて記事を書きたいと思っています。
(2)鳥取市役所の非正規職員は二人に一人!
上に示したように鳥取県職員に占める非正規の割合は約六人に一人なのですが、鳥取市ではこれが二人に一人と極端に高まっています。既に、当「市民の会」サイトの昨年五月の記事で触れていますが、あらためてその推移のグラフを下に示しておきましょう。
実際、最近の市の保育士採用数を見ると、数十名の大半が臨職であり、正規採用者は当初予定が毎年一人か二人のみという惨状なのです。
非正規職員比率が約五割ということは、全国での民間を含めた勤労者における非正規比率の約四割をも上回っていることになります。鳥取市においては、市役所自身が率先して非正規勤労者の比率を押し上げているのです。
上で紹介した日経新聞の記事によると、全国の自治体の中で、非正規職員の割合が60%以上の自治体はほぼ0%、50%~60%以上が約5%、40%~50%以上が約19%です。鳥取市は全国の自治体の中では、正規から非正規への転換進捗において、トップから約5%前後という高い地位に位置していることになります。
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