「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

当ブログの内容は編集者個人の見解であり、「市民の会」の公式見解ではありません。当ブログへのリンク、記事内容の引用等はご自由に!

ポケモンGOの経済効果は18億円?

鳥取県が主催した、11/24から三日間の鳥取砂丘でのポケモンGOのイベント、経済効果は18億円とのこと。毎度思うのだが、この計算はどういう仮定のもとにやっているのだろうか?

迷惑駐車も頻発したようだが、11/27(月)の新聞を確認した限りでは、地元紙だけはこの大騒ぎ全体について一言も触れていなかった。他の全国紙の鳥取版はちゃんと報道していた。

 
個人的には、11/25と11/26の土日は市内の道路が大渋滞して大変だった。普段は車で五分で着くところが、土曜日、日曜日ともに約三十分もかかってしまった。幹線道路では、特に土曜日の夜がひどかったそうだ。先週聞いた話では、関西から鳥取道経由で鳥取に帰ろうとしたが、智頭付近で大渋滞で全く動かなくなり、大変な目にあったとのこと。渋滞による経済損失も合わせて発表すべきだと思うぞ。

(1)渋滞による経済損失の試算をしてみた

今回の渋滞によって、10万人がそれぞれ一時間の損失を被ったと仮定する。車を運転している人だけではなく、モノが届かなくて作業ができない、人が来ないので待ち続けたり、打ち合わせができない等々も含む。一人当たり一時間の付加価値を4000円とする。(平均時給を2000円として、社会保険料労働分配率も含めれば、少なくてもこの程度の付加価値金額にはなるはず。)

10万人× 4000円 = 4億円の経済損失!

(2)マイナスのPR効果

県は、18億円のうち5億円はPR効果(広告料換算)だとしている。本当にPRになったのだろうか?

最近聞いた話では、この騒ぎの最中、出張目的で鳥取市内のホテルを探したら、一泊四万数千円の部屋なら空いていると言われたお客さんが来社して来たのこと。最近鳥取にも進出した全国展開しているホテルチェーンでの話である(以前は、鳥取以外では、女性経営者の写真が屋上にデカデカと飾ってあった、あのホテル)。このホテルはどう見ても、普段は一泊数千円のビジネスホテルでしかないのだが・・、ボッタクリと言われてもしょうがない。こんな目にあった人が鳥取に対してどういう印象を持つかは、言うまでもない。

土日の大渋滞の際には、シャトルバスが来ないので、何kmも先の砂丘まで歩いている人たちを沢山見かけた。鳥取県に対して悪い印象を持って帰る人たちが山ほど増えたことだろう。人が集まるのも、ある限度を過ぎるとマイナスの効果でしかない。

今後心配なのは、これに味を占めて似たようなイベントが頻発することだ。特に観光・旅館業界から、行政に対してイベント開催の要求が強まるのではないだろうか?イベント頼みの県政では、平井知事の全国知名度だけは上がるかも知れないが、県経済の実力は低下するばかりだろう。体力が弱って歩けなくなった病人が、興奮剤を注射されて一時的にシャンとして見せるようなものである。

こんなことに浮かれているようでは、近いうちに、一人当たり県民所得も沖縄県に抜かれて全国最下位に転落しかねませんぞ。

/P太拝