「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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日本政府はコロナウィルスの検査数をなぜ増やさないのか?(2)

 昨日の記事を書いた際、時間が無くて焦っているうちに、誤って4/5投稿の題記の記事(BCG接種とコロナウィルスによる死亡率の相関)を消してしまいました。改めて相関を示す図を下に採録しておきます。下のサイトは、筆者が最初にこの相関について知った時に読んだ記事です。

「BCG接種が新型コロナウイルスに効果あり? 各国の死亡者数に差も 専門医に聞いた」

 現在はまだ感染初期の国と既に感染が蔓延している国が混在している段階。遅かれ早かれ感染が各国の隅々まで行きわたることは、有効な薬品がない現在は止めようもない。冷たい言い方になってしまうが、その段階になればBCG接種率との相関がさらに明らかになってくるでしょう。

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 さて昨日、ついにお隣りの島根県でも初感染者が出ました。

「島根で初の新型コロナ感染確認 松江の女子高生」

この症例を見ると、初めて症状が出たのが3/19。4/8になってようやく医療機関が帰国者・接触者相談センターに連絡、4/9の夜になってからPCR検査で感染が判明したとのこと。実に症状が出てから21日後。被感染者のこの間の行動はよく判らないが、たぶん普通の風邪程度のつもりで行動していたのでしょう。今から三週間前までの間の濃厚接触者を特定しようとしても、もうほとんど無理というもの。

 症状が出た段階で簡易な検査を実施していれば、こんな事態にはならなかったはず。危険の少ない血液採取による抗体検査方法や、長くても三十分以内に結果が判る簡易PCR検査方法は、既に国内外の多くの企業や研究機関で開発済みであるにも関わらず、厚労省は一向に採用する気配を見せない。時間がかかり現場の負担が大きいPCR検査に未だに固執している。以前にも書いたが、たとえ二割の誤診があっても、八割で感染を防げればそれだけで感染範囲は縮小し消滅するのである。こんな簡単な理屈が判らないのは、よほどの馬鹿か、それとも役所側に公けにできない隠された理由があるからなのだろう。

 当初、五輪への影響を心配して、検査数を抑えて感染者数を極力少なく見せようとした(本人はかたくなに否定し続けるだろうが・・)国のトップの責任は明らかだろう。この松江の女子高生や、彼女からさらに感染したであろう多くの人たちをこのような悲惨な状態に陥れた責任の全ては、安倍総理を頂点とする安倍内閣全体が負わなければならない。

 4/6に総理はPCR検査を一日二万件に引き上げると表明している。しかし、菅官房長官は三月末に一日九千件の検査が可能となったと言いながら、三月下旬の実際の検査実績は平均で1098件/日、最大でも3/24の3862件/日に過ぎない。

「新型コロナウイルス国内感染の状況」

なぜ検査実施が進まないのか、その原因を究明し改善しない限り、総理の決意表明はまたしても空念仏に終わるだろう。

 専門家による今後の見通しは総じて暗い。いくつか紹介しておこう。

「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘 」

日本は「隔離も検査も不徹底」とのこと。政府の指揮系統を一本化するべきとのことだが、トップがあれでは見通しは暗い。個々の能力には関係なく「お仲間」というだけで引き上げられた大臣たちにも期待できない。全体を調整する役目の官房長官も、自派議員の不祥事続きなどで、もはややる気を失っているように見える。

「5人中4人が無症状とも……現役医師が訴える「“三密自粛”だけでは、もう医療崩壊を防げない」」

・検査担当の保健所の対応が間に合わないので、多くの医師は「軽症では検査はやらない」と決めているとのこと。島根の初感染者は、まさにこの典型例であろう。

・無症状・軽症等を含めると、実際の感染者は公表されている感染者数の約12倍はいるだろう。彼らが社会活動を続けることでさらに感染を拡げている。

 ・コロナウィルス類似の自覚症状のある人(都内では7%、約80万人)を対象に医師が問診を行いPCR検査に回すかどうかを決めることで、検査陽性の確率を上げることができる。

・現在は実際には患者を診ていない保健所の職員が検査する・しないを決めている。これが大きな問題。国が主導して総動員体制でやるべき。

・東京などについては、感染拡大を止めるためには、数週間は都市を封鎖したり生活必需品購入以外の外出を禁止したりする以外ないと思う。

さて、600人以上の医師からの賛同を既に得たという彼ら三名の医師からの提言を、国は素直に受け入れるだろうか。

 もう間に合わないのかもしれないが、とにかく検査数を増やして、誰が感染していて誰が感染していないのかをまずはっきりさせないことには、感染対策も何もあったもんじゃないというのが筆者の正直な感想。少しは救いになるかもしれないのは、今後欧米なみに感染者数が増えたとしても、BCG接種の効果が本当にあるのであれば、あれほどの死亡率にはならないだろうということだけである。

/P太拝