いまどきあり得ない話を見つけたので紹介します。
少し前のニュース(今月6月中旬)になりますが、富山市議会では、市会議員の報酬を従来の月60万円から月70万円へのアップを賛成多数で可決したとのこと。
時を同じくして、東京では升添都知事が世論に徹底的にたたかれた末に、臆面もなくしがみついていた知事のイスを渋々手放したが、それとは対照的に、富山では議会を批判する声はわずかにとどまっていたようです。
「 市議報酬増委員会で可決…富山市会 」
北日本新聞はよく頑張っていますね。常に行政寄り、多数派寄りの記事をのせるのが大半の某県の地方紙に比べれば、はるかに立派な対応です。
富山市議会の体質が極めて閉鎖的であり市民に情報公開をしたがらないことは、次の記事からも読み取れます。
最初にこれらの記事を見たとき、富山市議会の与党はなんでこんなに好き勝手なことができるのかと疑問に思いました。調べてみてすぐにわかりました。富山市議会では与党の自由民主党会派が圧倒的多数を占めているのです。
「 富山市議会 会派別議員名簿 」
情けないのは、民進党(旧民主党)が主と推定される「民政クラブ」までもが、議員給与アップに賛成していることです。富山市の民進党の立ち位置はどこにあるのか、市民の利益よりも自分の給与アップの方を優先しているのではないか?富山市の民進党は、「第二公明党」になってしまったのでしょうか?
圧倒的多数を占めた会派は、やりたいことはなんでもできる。それまでできなかったこともやりたい放題で可能。だからこの値上げ案を提出したのです。いわば、富山市民の市議選における選択結果が、この議員報酬の大幅アップを引き寄せたわけです。この富山市議会の醜態の根本原因は、富山市民の投票行動にあると断定してよいと思います。
どこの自治体でもそうですが、議員の質は平均的に見て大幅に劣化しているようです。約二十年以上も続く地方経済の停滞もあり、民間の実態に比べて自治体議員の給与はかなりの高レベルとなってしまいました。富山市議の今回の値上げ前の月給60万円は、東京は別として、地方都市においては、民間の会社にいながら同等レベルの報酬を得る人数はかなり限られてきていることでしょう。その結果、゜自分の志を実現するためとか、地域の人のために働くことを目的とするのではなく、民間に比べて高額な報酬を得ることを目的とした、いわば、「議員という職種に就職した議員」が確実に増えているのが現状です。その典型例が、あの「号泣会見で世界的に有名になった兵庫県議」でしょう。
一つの党が大半を占めて緊張感を失った議会は、必ず腐敗します。日本の国会でも同じこと。今回の参院選での投票の参考にしていただければと思います。
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