「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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「れいわ新選組は、非正規の星か?」

 既に一週間も過ぎてしまいましたが、今回の参院選の結果を筆者なりにまとめておきたいと思います。7/21の投票日に色々な記事をあらためて見直してみたところでは、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」に関するものが圧倒的であったと感じました。以下、関連する記事を何点か紹介しておきます。


「6年間、山本太郎ね、国会の中にいたんです。参議院最前列でその政治を見てきた、参加してきた。やられてきたことの数々は、はっきり言って皆さんを踏みつけることの連続です。皆さんを搾り取って踏みつけて、そこから得られた利益を、企業側に流していくことしかやってませんよ。」

 投票日前日の7/20にこの記事を投稿した相澤記者は、「この今までは無党派だったことが多い人たちが、実際に投票にいくのだろうか」と期待と懸念が半々の感想を述べている。投票結果から見れば、投票に行った人たちが相当数いたことは明らかだろう。

 「1年間で2万人くらい、ひと死んでるんですよね。自殺で。異常ですよ。戦争も紛争も起こってないのに。なんでこんな状況にされなアカンの? 生活安定していたらこんなことになる? 働き方にもっと余裕あったとしたら、こんなことになる? 自分がいていいんだ、自分が存在していいんだっていう世界になってたら、こんなことになる?」

 「名古屋市に住む50代男性は、20年ほど非正規の仕事を転々としてきました。いつクビを切られるかビクビクしながら働く毎日。派遣社員のときは、仕事がなくなると寮からも追い出されたそうです。山本氏の演説動画を見て涙し、5万円ほどしかない貯金の中から1万円を寄付しました。「僕に『生きててくれよ』と叫んでくれたのは、山本さんだけですから」と、男性は私の取材に話しました。」

 「左派ポピュリズムは、お金を持っている既得権益、エリート層の代弁者になっているリベラル層への不満の表れとして理解するのが適切だろう。山本は「持たざる私たち」「将来に不安を抱えている私たち」という枠組みを新たに政治に持ち込もうとしている。彼らには既成政党が捉え切れていない、どこにも属せない「こぼれ落ちた人」の代表という意味が付与される。」

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 無党派を自認している筆者ではあるが、かねてから、「働いている人の四割近くに達している非正規労働者の立場を代表する政党が、きわめて必要とされているのになぜ現れないのか?」と常々思っていた。今回の参院選で、山本太郎氏の率いる「れいわ新選組」がその候補として初めて登場したといってよいだろう。その意味では大変喜ばしい。

 ただし、先の記事でも述べたが、「さらなる新規国債発行で財源確保」という政策は到底受け入れがたい。そんな政策を大規模に始めたら、ある時点で外国勢は一斉に日本ヘの投資から手を引き、日本国債今以上に日銀以外の引き受けがなくなるだろう。

 その結果、円の国際信用度が下落、インフレが亢進しガソリンはリッター200円以上に?物価高が家計を襲うが、年金は額面通りにしか支給されない。円安に伴い名目的な政府税収は増える一方で、社会保障費の伸びを物価上昇よりも抑えれば政府の借金はどんどんと軽くなる。ハイパーインフレが、借金漬けの日本政府を結果的には救うことになる。

 そもそも、この「福祉目的でどんどん新規国債を発行すればよい」との山本氏の主張に近い、「日銀が輪転機を回して一万円札をどんどん刷れば日本は景気回復して繁栄する」という主張は、高橋洋一(銭湯での窃盗を認め書類送検)、三橋貴明(十代妻への再三のDVで逮捕)、山陰新幹線建設にご執心の藤井聰(京大土木出身で公共事業の積極推進派、今のところこれといった私的醜聞は無い)等々の「お寒い自称エコノミスト」の主張と同一である。「れいわ新選組」が現在主張している財源政策は現実には実行不可能であり、根本的な見直しが必要だろう。

 山本太郎氏は、今回は自身は落選したが、「次の衆院選では全国で百人を擁立する」と述べているそうである。財源政策面での大幅修正は必要と思うが、格差是正と多様性尊重の方向は間違っていないと感じる。大いに活躍していただきたい。

/P太拝