「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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隠岐島前の海士町

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。
 
 昨日夜のNHKクローズアップ現代で面白い報道がありました。タイトルは、「地方から日本を考える-人口増に沸く離島」です。紹介されていたのは次の二つの自治体です。
 
(1)隠岐島前の海士町
 
人口は約2400人。この小さな町に都会からの子育て世代の移住者が200人以上もやって来て、町の保育園は満杯状態。都会なみに待機児童が出ているとのこと。絶海の孤島といってよい地理的条件ながら、本土の人口減少に悩む疲弊した自治体を尻目に、ただいま人口増加中。
 
 この結果をもたらした第一の功労者は、2002年に町長に就任して現在三期目の山内町長。町長の人柄と、その取り組みの内容については、ちょっと古くなりますが次の記事をご覧ください。(二つともJB Pressというサイトの記事であり、全文を読むためには登録(無料)が必要かと思います。)
 
 
 内容を少し抜粋すると・・。
 
・財政危機の克服のために全職員が給与カット、特に町長は50%カット。これで二億円/年の財源を生み出して移住者を支援。
 
・高学歴で様々な経験を持つ移住者による一次産業の特産物化が進み、岩ガキ等の急速冷凍水産物隠岐牛などが都市部で高評価、等々。
 
 
 このブログの直前の記事でも紹介しましたが(12/24記事)、17年前から塩漬けになっていた駅前の一等地を民間資本を導入して再開発。公立図書館を中心とする建物に民間の各施設を同居させた。その各施設とは、産直市場、ダンススタジオ、学習塾、保育園、体育館、飲み屋等々。テレビで見ていても、産直市場に野菜を出荷しているオバさん達やダンスに夢中の若者たちの、やる気満々の底抜けの笑顔が印象に残りました。この「オガールプラザ」の集客力は年間で80万人、人口3万人のさびれた田舎町が大変身したとのこと。
 
 以前の計画では施設の建設に143億円かかるとされていたが、民間の眼でチェックすることにより三分の一以下の45億円で済んだ。しかも入居したテナントから町に入居料が入ってくるようになった。この計画を主導したのは、東京からUターンしてきた若手経営者とのこと。
 
 番組中で解説された藻谷浩介氏の話。
「国からの補助金に頼っていては失敗する。自分たちの力を信じて取り組めば道は開ける。そのためには、地域を良くするために身を粉にして働く強いリーダーが不可欠。」
 
 ひるがえって我が鳥取市を見れば、職員の給与カットどころか、市長選応援に対する恩賞まがいの市職員の手当アップ(12/4記事)。現市長が誰かのあやつり人形であることは市民周知であり、強力なリーダシップなどハナから全く期待できない。
 
 市内の民間企業では、自助努力どころか、市庁舎新築を無理やり押し通し国からの巨額の補助金のおこぼれを期待して、選挙運動に忙しかったという企業が散見される。このように政治力を介して国のカネにタカルだけで、自らの力で価値を作り出そうともしないプライドのカケラもない企業に、将来が嘱望される若者が一生勤め続けるはずもない。有能な若者が仕事を通じて自らの能力とプライドを十分に発揮できる企業は、何もこの街でなくても、鳥取市の外に出れば無数に存在するのである。
 
 官民そろって、国のカネを食いつぶすことに忙しい我が鳥取市実に恥ずかしい限りだ。この街は、トコトン落ちるところまで落ちなければ変われないのではないかとさえ思う2015年の新春である。