「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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鳥取市庁舎新築移転で得をするのは誰?

 暮れから新年にかけて、昔からの関係で忘年会や新年会に何回か参加しました。ふだんは会わない人と久しぶりに言葉を交わす機会です。
 参加者の中に市内の建設業界に勤めている友人が二人いたので、次のような質問をぶつけてみました。
 
 「あんたの所は、市庁舎の新築が決まって、これから結構、儲かるだカ?」
 
 帰ってきた答えは、二人とも、「何言よーるだいヤ、儲かるわけが無いがナ!」
 
 二人とも、鳥取市内では中堅というよりも大手に近い規模の会社の幹部です。二人の返事の内容をまとめてみました。
 
(A氏):
・、大手ゼネコンと地元の業者のジョイントベンチャー(JV、共同企業体)が受注する。地元側の幹事会社は、市庁舎新築移転先の真正面にあるあの会社。
 
・その幹事会社以外の地元の建設会社は、一応名前だけはJVに参加するが、実質業務は一、二人を参加させるだけ。地元企業が参加するといっても、幹事会社以外は名目だけであり、業界のお付き合い維持が目的。
 
・実際の仕事に係わる人間の大半は、大手ゼネコンが市外から連れてくる。ゼネコンとまともに付き合うと、地元の会社からは絞れるだけ絞り上げるので全然儲けにならない。こんな仕事にはかかわらない方がいい。
 
(B氏)
・今は民間の仕事が結構あるので公共事業には手を出したくない。公共の仕事は儲けが少ない。マイナスのこともある。
 
鳥取市では、市庁舎新築のような大きな仕事になると、地元の設計会社でなく中央の設計会社が設計するのが通例。中央の設計会社は、わざと地元の業者ではできないような構造の図面を引くので、大手ゼネコンが仕事の大半を取ってしまうことになる。今回の新築移転もそういう筋書きだろう。
 
 自分はある程度は地元の業者にも仕事が流れるだろうと思っていたので、この話の内容はまったく予想外でした。
 なのに、何で建設業界が、業界ぐるみで市長選や市議選で新築移転を主張する候補をあんなに応援したのか、非常に疑問です。 「長いモノには文句を言わず、巻かれた方が無難、わが身も安全」という鳥取市特有の精神風土のゆえなのでしょうか?