「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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住民に寄り添う真の議会を創り上げた飯綱町

 市庁舎整備問題をきっかけとして、時々鳥取市議会の傍聴に行くようになりました。聞いていて感じたのは、市庁舎新築移転に賛成している議員の発言のレベルの低さです。
 
 「新築移転は喫緊の課題である!」と念仏のように繰り返すばかりで、住民投票で市民に支持された現庁舎耐震改修ではなぜだめなのか、まともな根拠を示しません。言葉尻だけは丁寧ですが、言っている内容はまったくカラッポです。
 唯一の主張は、「耐震改修にかかる費用が当初の試算よりも増えたから(当初試算に無い周辺整備費用をムリヤリ加算したのだから当然のこと)、耐震改修ではだめなことがわかった。」ということ。そうであれば、新築移転の費用も周辺整備費用をはじき出して、加算し比較すべきというのが普通の人の感覚なのだが、そのことには一切触れようとしない。
(特にK議員!彼が所属するK明党支持者には、「合併特例債が出るのだから鳥取市の負担はゼロですね!」といまだに信じている人がたくさんいるそうです。正しくは約1/3は鳥取市の負担、約2/3は国の負担です。ただし国の負担と言っても、その財源は我々の納める税金や、国債と言う名の将来我々にツケが回ることになる借金です。)
 
 ウワサですが、新築移転に賛成している議員の中にも、合併特例債の仕組みをいまだに理解していないお粗末な議員がいるとのこと。それでいて総額百億円を越えると予想される新築移転案に、その費用も問わないままに賛成するのですから、市民に対してほんとうに無責任きわまりない。
 
 さて、鳥取市議会とは対極にある地方議会、長野県の飯綱町の例を紹介します。
(この記事の著者の相川氏は、約一年前に鳥取市の市庁舎問題も取り上げています。関連記事は下記をクリックしてください。当時、当「市民の会」にも取材されたとのことです。  市庁舎騒動の鳥取市で起きた「本当にひどい話」」   )
 
 
内容は、
 ・議会は執行部の追認機関ではない。政策提言が議会の本来の役目。
 ・住民に開かれた議会を目指して、夜間議会や休日議会を実施。この結果、傍聴者が著しく増加。
 ・15人の議員の報酬は月額16万円。年間活動日数は議員平均で121日間。
 ・議場で居眠りしたり、沈黙したままの議員はもはやいない。
 
記事の末尾の記載を引用します。
 
「 中央官庁のコントロール下に長らくいて、前例踏襲主義に凝り固まってしまった自治体職員に、新たな発想での政策展開は期待できない。住民二―ズに合致した効率的な政策立案を進める上で、議会の果たす役割は重要である。執行部への監視もできない議会は論外であり、政策立案を果たしてこそ議会の存在意義があると思うのである。そして、それは決して絵空事ではない。」
 
 我が鳥取市議会は、「執行部への監視もできない」どころか、執行部に追従して住民投票結果もひっくり返してしまうのですから、論外の二乗といったところでしょう。そのようなレベルの議員が、議員報酬だけは飯綱町議員の約三倍の月額47.5万円ももらっているのです。(下記参照。 議員報酬の金額については第二条の2 青字の「別表」をクリックしてください。)
 
 
 鳥取市の議員は、市民のための政策の勉強よりも、次回選挙への顔つなぎのための冠婚葬祭への出席の方が大事なように見えます。この議員報酬の多くが、単に次の選挙で自分の議員の椅子を確保するために、冠婚葬祭費用まがいのことに使われているのではないでしょうか。
 こんなことに使われる議員報酬なら、大幅減額した方が市民の利益になる。私たち鳥取市民は、市会議員の生活を保障するために、我々が納めた税金から議員報酬を支払っているのではありません!市民全体の利益に資する活動、市の将来を良くするための活動をしてくれると期待して、苦しい生活の中でやっと納めた税金から議員報酬を支払っているのです。
 
 このような鳥取市議会を生んだのは、我々市民にも責任があるのです。昨年11月の市議選の期間中、自分の周囲の人たちに候補者選択の基準を聞いてびっくりしました。

 いわく、
「自分の近所に住んでいるから」、
「同じ学校を出たから」、
「一度話したことがある人だから」、
「話したことは無いが、顔だけは知っているから」、
「どんな人か全然知らないが、知人に頼まれたから」、等々。

「政策に共感するから」という理由で候補者を選ぼうとしていた人は、本当にわずかでした。
 
 たとえば「同じ町内に住んでいるから」という理由で候補者を選んだとします。確かに顔見知りだから話しやすい、頼みやすいという点はあります。公民館の屋根や市道の補修などの簡単なことは、頼んだら即座にやってくれるでしょう。
 しかし、全市共通の政策について、この候補者はどんな意見を持っているのか、それを実現する熱意はどの程度あるのかを知ることの方が、はるかに大事です。
 
 自分の町内にわずかな補助金を引っ張ってくることばかりに熱心で、全市共通の政策に無関心な議員があまりにも多いから、鳥取市はこんな状態になってしまったのです。
 
 たとえば、鳥取市国保料・介護料の負担が県内で最高レベルの街になってしまっています。自分の町内に新築ピカピカの公民館が建つことよりも、国保料・介護料や保育料の各世帯ごとの負担が安くなることの方が、私たちの日々の生活にとっては、はるかに重要なのです。昨年の11月の市議選において、その選択の機会を自ら放棄したのは、鳥取市民、あなた自身です!