「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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「強いまち」はどこが違うのか?(1)

 先日2/24の日経新聞に「強いまち データは語る(1)  時代の変化先取り  6次産業化/世界に市場 」という記事が載っていました。この中では、内閣府が作成した「市区町村別経済指標」にもとづいて、2000年からの十年間で経済指標が改善した自治体トップテンを紹介しています。

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 二位の久山町は、九州自動車道福岡インターからわずか3キロの地の利を生かしネット通販の物流ハブ(拠点)になったこと、三位の東広島市は、'73年の広島大学の移転を契機として企業の集積が進み中国地方の研究開発の拠点となったことが飛躍の要因とされています。

 ここでは、農業を基盤とした特産品開発で飛躍した、第一位の北海道の中札内村を取り上げてみましょう。

 今や農業生産額は全国のGDPのわずか1%程度にまで落ち込んでいるが、農業を主産業として再生した街もまだまだあります。農業を主産業とする、このわずか人口約四千人の村が、2005年を底として人口増加に転じているのです。


 
 『 「色が鮮やかすぎる」。北海道中札内村のJA中札内村の山本勝博組合長はロシアで開かれた商談会で同村特産の枝豆に驚きの声が上がった数年前を思い出す。


 液体窒素で枝豆を瞬間冷凍すると、鮮やかな青みがそのまま残り旬の甘みが楽しめる。2014年度の売上高は21億円。中札内村が20年かけて育てた看板商品の販路は米国など海外にも広がる。・・・・・・ 農業の担い手が生産から販売まで手がける6次産業。攻めの農業を掲げる安倍政権で有名になった言葉だが、中札内村には当たり前の取り組みだ。

 一発屋で終わらない厚みも強さの一因だ。全国ブランドとなった生キャラメル、十勝産の牛乳を使ったラクレットチーズ、チーズ製造で出るホエーを餌にしたブランド豚を相次ぎ世に送り出した。「追随を見越しその先を行く」と田村光義村長は語る。』

 中札内村の取り組みは、日経の他の記事でも紹介されています。

『 中札内村(北海道) インゲン・枝豆、24時間収穫  
  ゴゴゴッ、ブォー。辺りが闇に包まれ始めた午後7時すぎ。北海道東部の中札内(なかさつない)村で、高さ3メートル超のハーベスターと呼ぶフランス製の巨大な収穫機が、エンジン音を響かせ畑を走り回っていた。まばゆいライトを照らし、たわわに実ったインゲンを次々と刈り取っていく。

 後部のタンクにたまったインゲンはトラックの荷台に移し、すぐに中札内村農協が運営する冷凍加工工場へ。洗浄、ゆであげなどの工程を経て、セ氏マイナス196度の液体窒素で瞬間冷凍する。畑で収穫してから3時間以内の早業だ。

 「旬の味を守るため、とにかくスピードが重要」。中札内村農協の山本勝博組合長は言う。成長の早いインゲンは収穫の適期を逃すと商品価値ががくんと下がる。しかも収穫後は急速に劣化が進む。最高の状態で顧客に届けようと、村ではこの時期、収穫、加工現場ともほぼ24時間のフル稼働が続く。

 同農協はインゲンや枝豆の生産、加工、販売まで一手に手掛ける6次産業化の先駆け的な存在として知られる。アジアや米国への輸出にも取り組み、2013年度の加工品の販売額は23億円と過去最高を記録した。徹底した品質維持へのこだわりがその原動力だ。

 酪農と畑作が盛んな村では、もともと畑作の基幹作物はジャガイモやビート(てん菜)、小麦など。収益源を広げるため、目を付けたのが生産効率の高いインゲンや枝豆だ。05年に加工工場を大幅に増築するのに合わせ、巨大なハーベスターを独自に導入した。・・・・・』

 この村の特産品としては、テレビで有名になった花畑キャラメルなども有名です。その仕掛け人となった、タレントで花畑牧場社長の田中義剛氏 の言葉。

『 北海道中札内村は作った農産品を自分で加工して販売する6次産業で成功したが、村内で私が花畑牧場を始めた約20年前は普通の農業地帯の一つにすぎなかった 当時の小田中刻夷元村長(故人)は『中札内村を日本一の村にしてほしい』と言い、村にとってよそ者の私にチャンスをくれた。これまでのやり方を続けていくだけでは人は集まらない、村も伸びていかないと小田中氏はわかっていた。

生キャラメルで有名になったが、やりたかったのはチーズづくり。チーズをつくればホエー(乳清)ができる。ホエーを餌にしたブランド豚の飼育を商業ベースで回すには規模が必要。中札内村なら大規模な6次産業が可能だった。牛を飼い、チーズをつくる6次産業には消費者を引きつけるストーリーがある。1位の村という意識はない。海外市場など売り込む余地はあると思う。』

 街の発展のために必要なのは、まず事業の中心となる個人の強い思いが必要なのでしょう。そして、その思いを二十年、三十年と維持し続けなければ、その成果が見えてこないのだろうと思います。

 今の鳥取市の中では、将来に向けてどのような思いがあるのでしょうか?

 少なくとも、既存のマスコミを通じての、市民に向けてうわべだけの、その場しのぎのパフォーマンスに忙しい今の鳥取市幹部職員には、とうてい期待できないことだけは確かです。彼らの関心はこの街全体の発展ではなくて、自分個人の自己保身にしか無いように見える。
 自分の退職金を満額確保するために、市の隠れた実質トップ(現トップではありません!!!)がムチャクチャなことを言っていても、黙ってそれについていく。そんなことで本当にいいのでしょうか?