「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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特産品で地方創生ができるという「幻想」

 昨年末12/24の投稿「リアルな地方創生は補助金に頼らない!」で紹介した東洋経済オンラインの記事の筆者、地域活性化伝道師の木下氏が、また面白い記事を書いていました。以下、紹介します。


 「行政の補助金を使って生み出した地域特産品は、そのほとんどが失敗に終わっている。その原因は行政と民間の合同の協議会方式では責任の所在があいまいになること、利益の追求が不十分であることにある・・」、等々の内容です。

 
 さもありなんという感じです。鳥取県内でも、これから数百億円の「地方創生」予算が配分されるようです。補助金を使ったたくさんの特産品がまた顔をそろえるのでしょうが、今回も例によって一過性のイベント、「行政のいつものパフォーマンス」で終わるのではないかと危惧します。

 結局、本当の特産品を作り上げるためには、民間の一個人、または強いリーダーが仕切っている民間団体による、「何としても絶対に完成させる」という執念が不可欠なのだろうと思います。行政は、そういうやる気のある個人や団体をよく見定めて、集中的に後ろからサポートすればよい。行政がテレビニュースの主役になっているようでは、また失敗を繰り返すことになる。

 先月、米子に行った帰りに、ある県内の道の駅でリンゴとソバ(生めん)を買ってみました。いずれも、その道の駅の周辺の町の産物でした。帰宅してから食べてみたが、これが何ともよろしくない!

 リンゴは一個で¥300程度と高価だったが、見かけは大きいものの歯ごたえがまるで無く甘みも少ない。ふだん近所のスーパーで買っている青森産の三個で\398のサンふじの方が、小粒だが歯ごたえがあり蜜も入っていて甘くてはるかにおいしい。ソバも記載時間通りにゆでたのに、歯にくっつく感じで歯切れが悪く風味も乏しい。いずれも二度と買う気にならない商品であった。

 地元の道の駅だから、少々品質が悪くても許されると思ってはいけない。観光のお土産という位置づけだから値段は少々高めでも許されるとしても、少なくともスーパーで売っている商品と同等かそれ以上のレベルの味でなければ話にならない。高額でまずい商品を平気で売っているようでは、鳥取県全体の印象が悪くなる。

 このリンゴとソバに、行政からの補助金が含まれているかどうかは詳しくは知りません。 地元だから大目に見てもらえるという甘えがあっては、自滅するだけ。自分自身を厳しい目で見ることのできない事業は、必ず失敗します。

 (実は、道の駅に並べられている商品のすべては、実質的にある程度は税金で補助されていると言ってもいいらしい。同じ筆者、木下さんによる、なぜ道の駅は儲からなくても店を出せるのかという記事も御一読ください。道の駅のほとんどの初期投資は、税金で作られているのだそうです。だから、並べている商品の品質チェックがいい加減なのでしょう。民間のスーパーが道の駅と同じレベルの品質管理をしていたら、すぐに倒産します。
 この木下さんの道の駅に関する記事の中に、「民間が「なんでもかんでも行政に金を出してもらおう」という姿勢でいる限り、その地域が活性化することはありません」という言葉があります。私は、この言葉が百パーセント当てはまるのが、今の鳥取市だと思っています。(鳥取県もかな?))

 話はまったく変わりますが、少子化対策も大変重要です。同じ東洋経済オンラインに、テレビの婚活番組の記事が載っていました。


 最近、鳥取市は独身の市職員を対象にお見合いパーティーを実施したそうです。税金を使って(?)やったのならトンデモナイ話!
 税金を使っていないとしても、一般市民を対象としたイベントを優先して開催するのが当然です。こんなことばかりやっているから、「市の正規職員は特権階級化している」と言われるのです。

 せめてもの罪滅ぼしとして、市は、このお見合いTV番組の誘致に至急に取り組むべきだと思います。