「開かれた市政をつくる市民の会(鳥取市)」編集者ブログ

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アベノミクスもついに沈没、ポヒュリズムが支配する日本の将来はどうなる?

 事前の予想通り、サミット終了後に安倍総理は、消費税の8%から10%への増税の二年半の凍結を表明しました。

 この消費税アップの延期表明は、七月の参院選選挙対策にほかならないことは明白。安倍は、国の将来の安定よりも目先の選挙を優先。今回の延期は、安倍政権下では二度目。一回目は2014年11月に2015年4月からの増税を一年半延期。その際に彼は、「消費税率10%への引き上げはリーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施する」と宣言していました。

 今回のサミットでの安倍の「世界経済はリーマン・ショックの再来の危機に瀕している」との発言は、各国の首脳や報道機関の失笑を招いただけでした。危機に瀕しているのは日本経済だけと言ってよいのだから。

 ただし、現在の経済情勢は、勤労者の実質賃金の落ち込みに関して言えばは、2009年のリーマンショックの時よりも確かに悪い。でもその原因は、2013年に安倍自身が始めた前例のない規模の極端な金融緩和というアベノミクスにあるとの説がもっぱらです。その解説の一例を以下に示します。


この記事の一部を抜粋すると、 「・・・実質賃金の推移を振り返ると、民主党政権下の2010年が1.3%増、2011年が0.1%増、2012年が0.9%減となり、3年間の累計では0.5%増となっています。これに対して、安倍政権下の2013年が0.9%減、2014年が2.8%減、2015年が0.9%減となり、3年間の累計では4.6%も減少してしまっているのです。要するに、2012年~2015年の実質賃金の下落率は、リーマン・ショックの前後の期間を凌駕していたというわけです。・・・」

 

結局、リーマンショック時を下回る実質賃金低下を招いたのは、アベノミクス自身であったということ。円安誘導で大企業は儲かったが、輸入物価の上昇で庶民の実質賃金は低下したのです。

次の記事は、税制改革の必要性を論じています。

この記事にはグラフがありませんが、下に示す元のダイヤモンドオンラインの記事で見ることができます。また、上のyahooの記事はそのうちに消去されるが、元の記事は消されないで残っています。

 

 今回の消費税延期騒動で見えてきたのは、日本政界を席巻するポピュリズムの波です。確かに大衆受けするのは税率アップの先送りだが、それをぜひともやらなければ日本の将来財政が危うくなることは明白。このツケが、福祉・医療・年金などの社会保障の削減、格差の固定化と人口減少に拍車をかけることは間違いない。

またぞろ、赤字国債の増発ということになりそう。黒田日銀の導入したマイナス金利のおかげで、国は国債を発行すればするほど当面は儲かるのである。

以下、各党の対応について。

公明党: 大臣のイスを確保し続けるためなら、何があっても自民党にいつまでもくっついていくことがこの党の党是。「濡れ落ち葉党」、又は「下駄の雪党」とでも改名すべき。

民進党: 岡田代表の消費税先送り容認発言には心底ガッカリした。野田政権当時の自公民三党の約束の履行をあくまで主張すべきであった。国の将来よりも、目先の選挙の勝利のみを優先しているようでは、安倍自民党とどこが違うのか。

共産党: 消費税アップを凍結し、大企業から税金をたくさん取れと従来から主張しているが、それを実行したら日本の大企業は、いっせいに本社をシンガポールあたりに移転してしまうだろう。「自分たちが作った借金じゃないから」とばかりに、巨額の国の借金を返済していく道筋についていっさい触れないのも、政権を担う資格があるとは言えない。そもそも、もはや共産主義社会の実現を目的としてはいないだろうから、この党は早く党名を変えた方が良いと思う。
 
おおさか維新:日本のポピュリズムの元祖。マスコミ受けする攻撃対象を定めて、一斉に攻撃することで世間の注目を集めようとする手法も、そろそろ底が見えてきた。離党した上西小百合衆院議員に代表されるように、この党の議員のレベルはずいぶんと低い。宮崎不倫議員など、先回の衆院選で大量当選した自民党の若手議員といい勝負だ。

 今回の騒動の中で唯一まともな発言をした政治家は、客観的に見て、自民党小泉進次郎議員だけだと思う。


「・・・、小泉進次郎農林部会長は記者団に「増税を延期する、だけど社会保障の充実は予定通りやる。そんなおいしい話だけでは駄目だ。どこに財源があるのか、民進党と違って責任ある財政を示さないといけない」と指摘した。・・・」

国のリーダーは、その必要があれば、当面は痛みを伴う政策をも受け入れることを国民に対して求めなければならない。その点では、小泉氏は、安倍氏よりも格段にリーダーの資質があると言ってよいと思う。

彼のJA全中を非効率の温床とみなして攻撃する手法は、元首相である父親の、何を目指しているのかよく判らなかった「郵政改革」の手法によく似ているのが、多少ひっかかる点ではある。(ただし、父親も最近では反原発を主張するなどわかりやすくなってきた。)

各党の現在の主張は、いずれも目先の票を狙っただけの浅薄なものだ。七月の参院選では、個人として信頼できて、安倍総理のように平気で前言を翻すことを決してしない人を、党籍は二の次にして人物本位で選ぶしかないなと思っている。

/以上